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Wing-Mel No.1121 渡部昇一に靖国問題で論破された中国大使(伊勢雅臣)

発行日:4/17

■■■■■■■■■ JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル■

          渡部昇一に靖国問題で論破された中国大使

                                                   伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1121 ■ H18.04.17 ■ 8,301部 ■■■■■■■

     上智大学名誉教授の渡部昇一氏が知人数人と、王毅駐日中国
    大使を囲んで会食した時のことである。席上、こんな歴史論争
    が始まった。

         その中で、中国が日本批判の口実にする歴史認識に関連
        して、私は発言した。シナ事変を始めたのは日本ではなく、
        中国の側であるということである。

         慮溝橋で最初に発砲し、攻撃を仕掛けたのは中国側であ
        るということ。それが上海に飛び火して戦火が拡大してい
        くのだが、この上海の飛び火は中国側の正規軍が日本人居
        留地を攻撃したものであること。これらを私は事実をあげ
        て述べた。東京裁判もこれを認め、日本のシナ事変の開戦
        責任を問うことはしなかった。それを問えば、戦勝国であ
        る中国側の責任があらわになってしまうからだ、とも述べ
        た。

         王毅大使はじっと聞いていたが、それだけだった。これ
        について、なんの発言もなかったのである。

     この点は、中国の「日本侵略批判」を根底から打ち崩す史実
    なので、もっと知られるべきと思う。

         王毅大使が盛んに口にしたのは、小泉首相の靖国神社参
        拝問題だった。容認することはできないというのである。
        知人の一人が、国のために尽くして命を捧げた人を慰霊す
        るのはどこの国でもその国の宗教的習慣に従ってやってい
        ることで、それに口を挟んで批判するのはいかがなものか、
        内政干渉ではないかと言うと、王毅大使はしきりにかぶり
        を振った。そうではない、小泉首相が靖国神社に参拝して
        戦没者を慰霊するのには、問題を感じていないと言うので
        ある。

         では、何が問題なのか。靖国神社には七人のA級戦犯が
        合祀されている。それが中国国民には国民感情として許せ
        ないのだ、というのが王毅大使の答えだった。そこで私は、
        A級戦犯とは何かについてやや詳しく述べた。

         東京裁判がA級戦犯とした罪状は平和に対する罪、つま
        り戦争を計画した罪、戦争を準備した罪、戦争を始めた罪
        である。日本はポツダム宣言を受諾して降伏したのだが、
        ポツダム宣言には確かに戦争犯罪人を裁くという条項があ
        る。しかし、ポツダム宣言が発せられた当時、戦争を計画
        したり準備したり始めたりすることを戦争犯罪とする条項
        は、国際法のどこにもなかった。つまり、東京裁判はなん
        の根拠もなしにA級戦犯と決めつけたのである。ついでに
        言えば、戦争を計画したり準備したり始めたりするのが犯
        罪であるという国際法の取り決めは現在もない。

         A級戦犯なるものが、いかに根拠がないものであるか、
        ということである。

         これは日本だけが主張していることではない。国際社会
        も東京裁判が無法で根拠がないものだったことを認めてい
        るのである。その表れが昭和二十六年に調印されたサンフ
        ランシスコ講和条約の第十一条である。

         そこには、東京裁判に代表を出した関係国の一か国以上
        の同意があれば、A級戦犯を釈放していいと定められてい
        るのだ。

         事実、講和条約が発効すると、A級戦犯として判決を受
        けた人たちは直ちに釈放された。もちろん関係国の過半数
        も同意したからである。これは有り体に言えば、A級戦犯
        はなかったということである。実際、犯罪受刑者は恩給や
        遺族年金の対象にならなかったのだが、国会決議を経てA
        級戦犯とされた人たちにもこれらが支払われることになっ
        たのだ。

         また、A級戦犯として終身刑の判決を受けた賀屋輿宣は
        政界に復帰して法務大臣を務めた。同じく禁固七年の判決
        を受けた重光葵は副首相兼外務大臣になり、昭和三十年の
        日本の国連加盟の際は、日本代表として国連で演説を行っ
        た。では、A級戦犯を入閣させるとは何事だとか、A級戦
        犯が日本を代表するのはけしからんとか、どこからか非難
        の声が出ただろうか。どこからも出なかった。中国も何も
        言わなかった。A級戦犯はなかったことを認めていたから
        ではないか。

     A級戦犯とは何かについて、事実をそのまま述べる渡部氏の
    意見に、王大使はどう反論したのか?

         私はこのようなことを述べたのだが、これにも王毅大使
        の正面からの答えはなかった。ただ、「国民感情が許さな
        いのだ。国民感情が」と、それを経文のように繰り返すば
        かりだった。

         これは口にする機会がなかったが、では、その国民感情
        とはどのようなものなのか、である。愛国教育などによっ
        て政治的につくり出された妄想ではないのか。当たらずと
        雖も遠からず、だろう。日本側にだって国民感情があるこ
        とを忘れているのだ。

         わずか三時間余だったが、王毅大使と話し合ってつくづ
        く感じたことがある。それは、中国が日本に対する際の切
        り札に使う歴史認識や靖国参拝問題は、中国の心底の思い
        から出たものではないということである。あくまでも政治
        的駆け引きの道具として出してきているのである。このこ
        とは私のような政治も歴史も素人の言うことを、中国を代
        表して日本に来ている大使が論理的にはね返せないところ
        によく表れている。はね返さないのではない。はね返せな
        いのである。

         中国に対しては毅然とした態度で、とはこれまでに繰り
        返し言われてきたことである。このことを確認した次第で
        ある。

     中国の靖国参拝批判が論理的なものでないことは、このやり
    とりを見ても分かる。日本政府も、渡部氏のような史実に基づ
    いた主張をして欲しいものだ。

    (参考: 渡部昇一、「歴史の教訓」、「致知」H18.1)

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  1. どうしてこういう正論を堂々と主張できない政治家が多いんでしょうか、それだけ中国様からの甘い汁で美味しい目をみているんでしょうか。

    づかちゃんママ 2006/9/13

  2. >慮溝橋で最初に発砲し、攻撃を仕掛けたのは中国側であるということ。
    数年前のNHK「その時歴史が始まった」では日本が最初に爆撃を仕掛けた、と言っていた記憶があります。
    公共のテレビでそのような間違いを犯す筈がないと思いますので私の記憶違いだったのですね。
    日本がそのような卑怯な国でなかったのだと安心しました。ありがとうございました。

    瑠璃 2006/9/13

  3. だいぶ昔の記事ではありますが、大変興味深い読み物でした。ありがとうございます

    フリージア 2006/8/24

  4. 日本人として恥かしい盧溝橋や上海はどこの領土?なぜ日本軍がいるの?日本の中国地方なの?そこからよく考えよう

    美島由紀夫 2006/8/18

  5. 盧溝橋や上海はどこの領土?なぜ日本軍がいるの?日本の中国地方にあるの?

    美島由紀夫 2006/8/18

  6. 長年の疑問が氷解していく気がしました。
    感動しています。(感謝)

    hide 2006/8/17

  7. 盧溝橋は中国にあるんだよ?
    自分の国に、自分の国をのっとろうとしている国のひとつの軍隊が来てたんだよ?

    チキンピジョン 2006/8/16

  8. 盧溝橋は中国にあるんだよ?
    自分の国に、自分の国をのっとろうとしている国のひとつの軍隊が来てたんだよ?

    チキンピジョン 2006/8/16

  9. 非常に良かったです。こういった事実を、より広めることができるとは、いい時代になったものです。
    しかしそんな時代になっても、未だ講和しておらずに国際法上は戦争終結していない”ドイツ”を見習えなんて言う人が居るとは、驚きを禁じ得ませんね。

    知ると言うこと 2006/8/16

  10. まぁ、常識でしょうな。
    支那がおかしいだけ。

    まあ 2006/8/16

  11. このような話が広く伝わらないマスメディアの在り方にも問題がありそうですね。当時議員だったはずの方まで"A級戦犯"発言されていますがこのことはご自分では認知されているんでしょうか、それとも単に認知が進んでいるのか。

    Blueman 2006/8/16

  12. 上智大学名誉教授渡部昇一氏の事実に基づく主張は論理的で、王毅駐日中国大使も返す言葉が無かった
    ことは、王毅大使個人としては良識があることを
    証明している。
    しかし、外交の難しい点は、自国の利益を考え、個人の意見を抑えることにある。
    特に中国・朝鮮人は自国の利益のためには平気で
    嘘をつける人種である。
    これらの国々との外交は”基地外”に正論を説く困難さがあるが、正論を世界に発信し続けることで
    日本への支持を得るしか方法がないと思った。
    頑張ってください。

    konkon 2006/8/16

  13. 日本人は自己批判をすることを知らないのだろうか.正当化することで生き残ろうとするのが如何に危険なことか.生き残れないものをつくった側が正当化しても何の説得力がない.ドイツ,イタリアを見習いはしないのだろうか.

    自己批判 2006/8/14

  14. 日本人というくくりで,ナショナリズムをあおるのはいかがなものか.事実をあげて語ってみても,日本が進出する際に,誰も止めなかった,あるいは,とめたものたちを迫害したこと自体が,日本の政治意思決定システムとして問題であることを指摘をする者はいないのだろうか.

    lisa 2006/8/14

  15. このような歴史を、きちんと教えない日本の教育と、根も葉もないような事を誇大化して教育する中国とが問題です。日本はもっと正確なアジア近代史を広報すべきでしょうね

    fuu 2006/8/14

  16. 非常によかったです。私自身もこうした事実をしっかり覚えておいて中国人との論争に備えたいですね。

    ばにらあいす 2006/8/7

  17. 全く同感です

    やまねこ 2006/8/6

  18. とても勉強になった。

    浪人生 2006/8/5

  19. 外国の反日/侮日派どもに、
    日本のお偉いさんが媚びるから
    こうなったんだ!
    ウーマン・リブがあったように、
    これからの日本には、
    ジャパン・リブが必要だ!

    ゆうじ 2006/8/5

  20. 歴史に疎い私ですが、十分分かりました。
    これからも、日本の未来の為に頑張ってください。

    ために、為った。 2006/8/4

  21. 日本人は巍然としてればいいということが、大変判りやすかったです。

    TF 2006/8/3

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