戦国武将がコントやドラマ、歌謡ショーなどを繰り広げる“教養バラエティ番組”『戦国鍋TV~なんとなく歴史が学べる映像~』の人気が、全国的に広がりつつある。
この『戦国鍋TV』、昨年4月からテレビ神奈川、千葉テレビ、テレビ埼玉、サンテレビの独立局4局で放送を開始したローカル番組だが、その独創的な内容が面白すぎると話題になり、わずか1年で状況は一変。民放キー局の系列16局でも放送されるようになり、視聴エリアが全国に拡大した。
「このような規模で独立ローカル局の番組が系列局で放送されるのは非常に珍しく、放送史上に残る快挙だという話です」(番組関係者)
また、10巻まで発売されている同番組のDVDは累計で約10万本以上を売り上げ、3月23日発売の関連CDはオリコンの週間チャートで初登場10位にランクイン。さらに今年1月公演の舞台『戦国鍋際』は東京、大阪ともに連日満員。横浜・関内ホールで開催されたコンサートのチケットは数分でソールドアウトと、まさに一大ムーブメントを巻き起こしているのだ。
仕掛け人はキングレコードのエグゼクティブ・プロデューサーの大月俊倫氏。アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を手がけた人物だ。
「もともと“戦国バラエティ”をやりたかったんです。歴史上の人物って、殿さまや将軍、侍など身分がハッキリしているじゃないですか。それを現代の上下関係に置き換えたらおもしろいなって、小学生くらいの頃から思っていたんです」(大月氏)
そんな構想を発展、飛躍させて誕生したのが、オカマの信長や伊達政宗が登場する「うつけバーNOBU」というコーナー。信長扮するNOBUママが、来店する現世のサラリーマン客の愚痴に対し、自身の歴史などを交えて励ますという内容だ。
その他、前半戦の反省点などを武将同士が言い合う「戦ハーフタイム」、軍師が電話オペレーターを務める「戦国サポートセンター」などのコーナーがあり、特に高い人気を誇っているのが「戦国武将がよく来るキャバクラ」。活躍の割に知名度の低い武将がキャバクラに客として訪れ、キャバ嬢のレイナに武功を得意げに語るというものだ。
「キャバクラって、お客が初対面の女のコに自慢話をする場所だと思うんですよ。だったら、マイナーな武将も自慢したいだろうなと思って(笑)」(大月氏)
また、イケメン俳優たちが戦国武将のユニットを組む歌謡ショー「ミュージック・トゥナイト」は女性に人気。番組プロデューサーの船田晃氏は、「皆さん、戦国武将に思い入れがあり、同時にそれを演じる俳優さんのファンでもある。その相乗効果は大きい」と語る。
個性的なキャラの群雄割拠は、まさに寄せ鍋の如し。ローカル局発ながら企画力の高さで成功した『戦国鍋TV』は、キー局主体のテレビ業界に一石を投じている。
(取材/高篠友一、写真/井上賀津也) (c)2010 戦国鍋TV