昨日のNHKスペシャルを見ていて、
憤りを感じました……。
どうやら当時の参謀本部は、
広島に原爆が投下される可能性があることを情報としてつかんでいたと。
つまり、空襲警報を解除後、再び警報を出していれば、
あの被害も今より少なかった可能性があると。
当時、アメリカの特殊部隊の存在は、
暗号解読で判明していたわけで、原爆投下が目的であることが判明しなかったにしても、
広島に「何かが接近」していることが分かっていたと。
何か「福島第一原発事故」の政府の対応の悪さを見ていると、
この国は、明治以降どこかで進むべき道を誤ったのではないかと思わざるを得ないです。
広島と福島。
政府サイドの不手際で被害が出ているのは、共通ですから。
この時期に放送された意味は、大きいと思います。
たださえ「被爆国」が、自分で核汚染をしてしまうという
愚業をやってしまっただけに。
面子や威厳のために、
民衆を犠牲にしていいという法律はありません。
近代以降の日本は、
「面子」を守ることを優先していたのではないかと思います。
でなければ、世論を盾に
昭和天皇に脅迫まがいの行為をして日米開戦へと決意させた
東条英機と木戸幸一(木戸孝允の孫)のような類の人間は出てこないでしょう。
そんな人間を「国難に立ち向かった」人々を祀る靖国神社に祀る必要があるのでしょうか。
彼らのせいで、多くの人々が犠牲になったのですから。
戦争に勝てば、無為無策でも政府は責任を取らされないですが、
敗北すれば責任を取らされるという「常識」も問題ですが……。
かの山本五十六が「(日米開戦に際して)最初の一二年は、暴れて見せますが、残りは外交でどうにかしてください」と近衛文麿に語ったというエピソードがあります。
それを踏まえて、亡き祖母は「東條のアホが、総理大臣だったばかりに……。山本五十六が首相だったら」と戦争の話を聞かせてくれる時に、その話がよく出てました。
南方で弟が戦死しているから余計にでしょう……。
そんなことも知らないで、「A級戦犯分祀反対」を唱える方がいました。
当時の人間にしてみれば、「東條が神であるなんて、馬鹿馬鹿しい。自分の家族は、誰のせいで犠牲になったんだ」という心境でしょう(祖母には確認しませんでしたが、もし靖国に合祀されていることを知っていれば、怒りは相当のものだったと思います)。
靖国神社側は、「先例がない」と言ってごまかしています。
神道や日本近世史について、知っている者がいれば、「神から降ろされた人物」を例にあげます。
今年の大河ドラマに出てくる豊臣秀吉です。
豊臣家が滅亡した大坂夏の陣の後、
秀吉が祀られていた豊国大明神は、一度取り壊されています。
滅亡した豊臣家を祀っていることもあり、「不吉」とされたのです。
実際、徳川家康公がなくなった際に、崇伝が「大明神」を諡として勧めたのに対し、天海が「豊臣家の例」を上げて「不吉」だとして、「大権現」を提案して、「東照大権現」となったエピソードもあります。
秀吉の例もありますし、護国神社が分祀の際には引き取ってもいいと言っているのですから、
東條らの無謀な日米開戦のために犠牲になった人々のためにも、分祀はすべきです。
でなければ、靖国神社には死んでも参拝しません。
そもそも天皇陛下が参拝を拒否されるような神社を崇めている自称・右翼は、
「尊皇」なのかとお聞きしたいぐらいです。
やや脱線しましたが、民と国のことを考えて行動できない為政者が
自分の威厳のためにしか行動しないようでは、また悲劇は繰り返されるように思います。
歴史観云々よりも、天皇陛下のように常に国と民のために祈っておられる
行動こそが大切なのであり、今の政治家に欠けているのが、
その点であるのですから。
自分が幸せになりたいのなら、その分苦労しないといけないのですから。
政治家であれば、公人として最低限すべきことをしていただきたい。
先週、再選した埼玉県知事・上田氏についても、
民主党出身者として、現政権についての自身の責任については何も語っていない
という点は、許せません。
自身も民主党関係者なのですから、まず菅政権の不手際について、県民に謝罪すべき
であり、投票率の低さが自分への不信であると真摯に受け止めない限り、
私めは、上田氏の言うことは信用できません。
そもそも民主党・自民党・公明党の相乗り候補って、何ですか。
ここで、自民党が、民主党とも公明党とも距離をあけて自主候補を擁立していれば、
少しは風向きが変わるでしょうに……。
地方行政まで、日本の政治は腐っているのではないかと。
大阪府知事が大阪市長選に立候補するという時点で、よくわからないです。
先人達が見たら、どう思うのか……。
宣長先生なんぞ「日本人は、心を失った」と言われるのではないかと。
混沌の中から光が出てくることを信じて。