トップ > 女性保険&マネーニュース > 節電で注目? ガスで冷房 そのしくみとは
電力需要の拡大する夏には、再び深刻な電力不足になり計画停電が行われるのではないかと予想されています。今度は、東京23区でも停電実施区域を拡大するかどうかが検討されているとのことです。
夏の停電で気にかかることと言えば、冷房。真夏に停電になってしまったら…クーラーが止まり、窓も開かない蒸し風呂状態のオフィスで仕事するなんて、想像しただけでも息苦しくなってきてしまいます。
停電を防止するには、何といっても電力需要を抑えることが重要です。
そこで、電気以外の冷房はないのか探してみたところ、「ガス冷房」なるものを発見しました。ガスヒーターやガスストーブなど、温めるものなら知っているけど、ガスでどのように冷房をするのでしょうか。
一般社団法人日本ガス協会によれば、ガス冷房には吸着式とGHPという2種類があるとの事。
<吸着式ガス冷房>
吸収式ガス冷房は、水の気化熱を利用して冷水をつくり、冷風を送り出すシステムです。
気化熱とは、液体が気化(蒸発)するときに周囲から奪う熱量です。室外機には冷媒の水、吸収溶液の臭化リチウム水溶液が密閉された容器に入っています。
1)吸収溶液がガスの炎で温められ、水蒸気が発生
↓
2)その水蒸気を、冷却水で冷却して凝縮し、水に戻す
↓
3)水は真空の部屋に送られ再び蒸発し、冷風を作るためのパイプの水を冷やす
(真空なので水は5℃で蒸発)
↓
4)3)で発生した水蒸気は吸収溶液が吸収
↓
1)へ
このように水の蒸発・吸収・再生・凝縮が繰り返されることにより、室内に冷風を送ります。
<GHP(ガスエンジンヒートポンプ=ガスヒーポン)>
一方GHPは、冷媒をガスエンジンで動くコンプレッサで圧縮し、
機械的に蒸発と凝縮を繰り返すことで冷暖房を行うものです。
1)冷媒がガスエンジンで動くコンプレッサで圧縮され、高温・高圧の気体になる
↓
2)室外熱交換器で、冷媒が外気によって冷却・凝縮されて、高圧の液体になる
↓
3)冷媒が膨張弁を通って膨張し、低温・低圧の液体になる
↓
4)室内熱交換器で、冷媒が蒸発して、低温・低圧の気体になる。
この時、冷媒が周りの熱を奪うため、室内に送る風を冷やすことが出来ます。
↓
1)へ
細かい仕組みは少しややこしいかもしれませんが、ガスの力がシステムのメイン動力になっているのが、ガス冷房の特徴です。電力はポンプなどの補助的な機械に使用するのみなので、例えばGHPの総消費電力は電気式ヒートポンプと比べて約10分の1となり、電気での冷房より消費電力を低減することができるそうです。
ガス冷房の普及件数は、平成19年には15万件を超え、毎年堅実に伸びています。会社・事務所や店舗・百貨店・スーパー、ホテルや学校などで使用されている事が多く、日本ガス協会の方に聞いたところ、残念ながら家庭用のガス冷房は今のところ無いそうです。
とはいえ、電力不足が心配される今後、電力以外のエネルギーがさらに注目されていきそうですね。
(出典・参考:一般社団法人日本ガス協会)
暑い日に停電が起きた場合、特に夏は、熱中症など健康被害が出ないように対策を行う必要があります。熱中症対策法を確認し、涼しく過ごすためのグッズなどを準備しておきましょう。
自分の保険はどこまで保障してくれる?この機会に見直しておきましょう!
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(明山たかな)
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