■ 登別市内全域で停電ほぼ解消―各避難所も帰宅進む
【2012年11月30日(金)夕刊】


 暴風と鉄塔倒壊による大規模停電で、北海道電力は30日午前3時40分、登別市片倉町で復旧した送電線からの送電を開始した。供給先を移動電源車から送電線に順次切り替え、午前9時現在、市内全域でほぼ停電が解消された。各避難所では帰宅が進み、市民会館以外は昼食後に解散する。市は市民生活部に相談窓口を設けるなどし、市民のケアに全力を注ぐ。

 北海道電力によると、午前9時現在で停電が残るのは千歳町の一部で、復旧率は99・9%となった。未明の送電線からの通電開始後、電源車からの切り替え作業や配電線の確認などを急ぎ、午前9時までに概ね停電を解消した。

 登別市によると、30日午前8時現在、市内5カ所の避難者は138人。内訳は富士町・市民会館138人、登別東町・市婦人センター12人、登別温泉公民館1人、幌別町・鉄南ふれあいセンター28人、常盤町・婦人研修の家4人。

 復旧に伴い、各避難所では帰宅が進んでおり、市は避難所のうち市民会館を除く4カ所を昼に解散する。万一の場合に備え、市民会館は午後8時まで開設する。

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 各避難所では、午前9時に市職員が停電解消がアナウンスされ、安堵(ど)の表情が広がった。幌別町の鉄南ふれあいセンターで4日目を迎えた姉妹、大西菊野さん(82)、大西さよ子さん(77)は「本当に長かった」と疲れ切った表情で話した。

 市は北電情報と町内会ネットワークで復旧状況を確認。午後2時、全町内会長が会合で状況報告し安否確認などの協力を要請。終了後に災害対策本部会議を開き、問題がなければ庁内組織の災害対策部に縮小する。

 小笠原春一市長は「4日間を要したが、多くの関係機関の復旧への尽力に感謝している。浮上した課題も多いが、経験を無駄にせず、市民生活をフォローしたい」と話した。
(鞠子理人、粟田純樹、北川誠)




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