弘前大:院生論文、米研究誌に 新物理理論の検証法考案 /青森
毎日新聞 2012年11月23日 地方版
アインシュタインの相対性理論では説明のつかない極めて微小な世界の現象を解き明かす、新たな物理理論を検証する実験方法を、弘前大理工学研究科の大学院生2人が編み出し、近く米物理学会誌「フィジカルレビューレターズ」に掲載されることが決まった。ノーベル物理学賞の小柴昌俊さんや南部陽一郎さんの受賞につながる論文が掲載された由緒ある研究誌で「大学院生の論文が掲載されるのは異例」と関係者は喜んでいる。
2人は、同研究科の浅田秀樹教授(物理科学)の教え子で修士課程2年の大河原広樹さん(24)と博士課程1年の山田慧生(けい)さん(26)。
論文は3人の共著で邦題は「チャーンサイモン重力が引き起こす量子干渉における日変動および季節変動の可能性」。同大で記者会見した浅田教授によると、20世紀初頭にアインシュタインが提唱した一般相対性理論では説明のつかない極限の世界を解き明かす「チャーンサイモン重力理論」と呼ばれる新理論が正しいかどうか、実験で確かめる方法を創出した。論文は、数メートル大のシリコン単結晶で「中性子干渉計」を作り、物質波の到着時間の差を調べることで検証は可能とし、予測される差を1年がかりで算出した。
相対論や宇宙論の著書が多い二間瀬(ふたませ)敏史(としふみ)東北大理学研究科教授(天文学)は「研究背景をよく理解して計算をこなし、発想が良かった。院生の論文が掲載されるのは珍しい」と評価した。【松山彦蔵】