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内柴容疑者、熊本県民栄誉賞取り消し

 内柴正人容疑者の名前が刻まれた標石にかけられたカバー。標石は近く撤去される=熊本県庁
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 内柴正人容疑者の名前が刻まれた標石にかけられたカバー。標石は近く撤去される=熊本県庁

 熊本県は8日、警視庁に準強姦(ごうかん)容疑で逮捕、送検されたアテネ、北京五輪柔道金メダリストの内柴正人容疑者(33)に授与した2つの県民栄誉賞を取り消した。同容疑者は、ほかにも紫綬褒章やさまざまな賞を得ており今後さらに“剥奪”されていく可能性がある。全日本柔道連盟は選手登録、段位などについて改めて捜査の行方を見守る方針を示した。

 故郷の英雄に対する敬愛の情が、一転して怒りに変わった。熊本県の蒲島郁夫知事は記者会見を開き「栄誉を著しく失墜させ、県民の誇りとなる県民栄誉賞の受賞者としてふさわしくないと判断した」と、賞を取り消す理由を述べた。

 熊本県出身の内柴容疑者は9月上旬、九州看護福祉大(玉名市)で女子柔道部のコーチを務めながら、遠征先の都内で未成年の部員に飲酒させ、暴行に及んだとされる。同容疑者は容疑を否定しているが、蒲島知事は「教え子に飲酒させ関係を結んだことは本人も認めており、教育者としてあるまじき行為だ」と強く批判した。

 県民栄誉賞に取り消し規定はなかったが、県は新たに表彰要項に規定を設け、適用した。熊本県は04年アテネ五輪の金メダルで県民栄誉賞を授与。08年北京五輪で連覇したため、県民栄誉賞の「特別賞」を急きょ新設して贈っていた。さらに受賞を記念して県庁敷地内に植樹した際に設置した名前入りの2つの標石を近く撤去すると発表した。同容疑者は国から04、08年に紫綬褒章を受けている。名誉市民とした出身地の合志市も取り消しも検討するなど、波紋は広がるばかりだ。

 全日本柔道連盟は内柴容疑者の指導者登録兼選手登録、5段を保持する講道館の段位剥奪についてこの日、捜査の行方を見守る意向を再度示した。全柔連関係者は「各団体によって、判断基準があると思う。裁判などで結果が出てからになると思う」と説明した。有罪が確定した場合に処遇を決定する方針で、登録については永久的な『抹消』、段位については史上初の『剥奪』が検討されている。

(2011年12月9日)

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