論点を聞く:’12衆院選 TPP 近江八幡市で「経済産業分析研究所」を開く、岡地勝二さん /滋賀
毎日新聞 2012年11月29日 地方版
もちろん配分が問題で、働いている人の所得も、自治体の法人税収も増えるように配慮が必要です。よく安価な労働力として外国人を使い日本人の雇用が奪われるとの批判がありますが、それは一面的だと思います。今後は優秀な外国人が基幹業務にも入ってくるようになります。日本人も能力が問われますが、企業は生産性が高まり利益を上げられます。そういう社会になれば、教育のあり方も変化が求められるでしょう。いずれにしてもTPPは今後の日本の未来に関わる大きな問題です。各政党の態度はさまざまですが、有権者はTPP参加後の明確なビジョンや、不参加なら代わりの展望を示しているか、しっかり見極めてください。【聞き手・千葉紀和】
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◇メモ
TPPによる国内経済への影響は、内閣府、経済産業省、農林水産省がGDP(国内総生産)などの増減額を試算しているが、条件や前提が異なり単純比較できない。県内総生産5兆7015億円(09年度・名目)のうち第2次産業の構成比は41.2%。JA滋賀中央会は現在40%の食料自給率(カロリーベース)が13%まで低下するなどと指摘している。