記録的な暴風雪と送電線倒壊による大規模停電で、北海道電力はきょう30日午後、倒壊した片倉町の送電線の復旧作業を終え、市内全域への電力供給を再開する予定だ。市内では29日午後8時現在、約6300戸で停電が続いている。同社は「電力供給がピークとなる午後5時から同7時までには間に合わせるよう作業を急いでいる」としている。
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市内では現在、1600キロワット級の移動電源車4台、1000キロワット級1台、500キロワット級10台の計15台などで、仮の電力供給が行われているが、全世帯の4分の1で停電状態が続いている。
北電は停電原因となっている送電線鉄塔の復旧を進めており、29日午前に仮鉄塔の設置を終えた。続けて送電線の架設作業を急いでおり、30日午後の送電を開始を目指している。
市によると、29日午後9時現在、避難所5カ所に261人が避難している。内訳は富士町・市民会館151人、登別東町・市婦人センター32人、登別温泉公民館13人、幌別町・鉄南ふれあいセンター61人、常盤町・婦人研修の家4人。
29日午後8時の市内停電戸数は約6300戸。移動電源車のやりくりで29日は登別本町の一部など約1000戸で停電が復旧したが、鷲別、若草地区以外の多くの地区で停電が発生している。
市は29日、ごみ収集を30日から再開することを決めた。燃やせるごみ、資源ごみとも通常通り実施する。ごみ処理施設・クリンクルセンターへの自己搬入は12月1日からで注意が必要。市葬祭場は12月1日から。
また、北電は被害に遭った家庭には電気料金の支払期限を1カ月延期したり、通電工事費用を無料にしたりする特別措置を決めた。
(鞠子理人)
◆―― 仮鉄柱の建設完了
登別全世帯の4分の1の停電の主原因となっている、倒壊した高さ26メートルの送電用鉄塔1基(登別市片倉町)に代わる臨時の仮鉄柱2基の建設工事が完了し、きょう30日午後にも全面復旧する見通しだ。
仮鉄柱は鉄柱3本で1基分、高さは26メートル。道央道をまたぐ形で、1基は28日までに倒壊した鉄塔の南約300メートル地点、別の1基は倒壊した鉄塔のすぐそばに29日午前までに建てた。電線架線作業は、同日午前11時半から登別室蘭インターチェンジ(IC)―登別東IC間を通行止めにして実施した。
電線の接続は30日までに終了、試験実施後の午後には順次送電を開始するという。
北電は「電柱が倒れていないかや、変電所から各家庭に送電できるかなど確認中で送電を最優先に作業している。今後、(倒壊した鉄塔は)強度の高いものにするかも含め検討する」としている。
(奥村憲史)
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