いよいよ年末ジャンボ宝くじの販売が開始された。今年は1等4億円、前後賞1億円、合わせて6億円と、日本の宝くじ史上最高額の賞金となる。
6億円なんて夢のようだが、あまりに大金すぎてどう使えばいいのかわからない。海外では、高額賞金に当せんした人がギャンブルにのめり込んだり、親族にお金を無心された挙句殺されたりと、悲惨なニュースも聞くのだが……。
そこで、当選してから慌てないようにお金のプロに6億円の正しい使い方を教えてもらおう。『20代、お金と仕事について今こそ真剣に考えないとヤバイですよ!』(クロスメディア・パブリッシング、共著)の著書もある税理士、公認会計士の野瀬大樹(のせひろき)氏に聞いた。
「もし6億円当せんしたら、まず『当せんしたことをひた隠し』にすることが大切です。さもないと、NPO、慈善団体、宗教法人から寄付のお願い、投資信託や先物取引の勧誘、さらに『自称家族』『自称友達』も現れます。もし情報が漏れても、『それは単なる噂です』とシラを切ることが大切です」
まるで指名手配犯のように、誰にも言えない秘密を抱えて生きるということか。
「億万長者の宿命です。次に6億円のなかから一生の生活費を確保することです。本人が30歳なら、60歳まで30年分の生活費を計算します。サラリーマンの平均所得が400万円を切ろうとしている昨今、年間700万円もあれば必要十分な暮らしができますよね? 700万円×30年で2億1000万円。プラス老後に必要な1億円で合計3億1000万円。これを31の銀行に1000万円ずつ預金して、ペイオフのようなリスクを回避します」
大金を守るためには、それなりの手間をかける必要があるのだ。
「1000万円程度の預金なら銀行では特別な額ではありません。あくまでも目立つような預金をしない目的もあります」
では、残りの2億9000万円はどう使うか。
「近い将来、日本が国家破産して円が紙切れになったら預金した3億1000万円はパーになる恐れがあります。そこで残りの2億円で2000万円ずつ10の国を対象とした投資信託を買うのがいい。これは当たれば『儲けもの』ぐらいのものですから」
セレブは世界に投資する。ついにあと9000万円となったが。
「もう好きなことに使ってください! ただ高級車を買ったり、家を買ったりしたら、すぐに周囲にバレてしまうので、バレないように使いましょう。人間『いくらでも買える』と思うと意外にモノが欲しくなくなるので、無駄遣いもなくなります」
9000万円無駄遣いしても、まだ一生安泰なんて夢のような話。正しい使い方もわかったところで、さっそく6億円を当てに宝くじ売り場へGOだ!
(取材・文・撮影/本誌宝くじ取材班)
■週刊プレイボーイ50号「年末ジャンボは“第三極買い”で6億円!!!」より