黒岩瑪瑙『MILKY WAY』
東部国境がきな臭いことになってますが、来週は敵国の褐色肌美人兵士(巨乳)が登場するようなので、
さて本日は、黒岩瑪瑙先生の『MILKY WAY』(コアマガジン9のへたレビューです。先生の前単行本『SPLIT MILK』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
背徳のエロティシズムを添加しつつも、妙にほんわかとした清涼感がある空気が魅力の年上お姉さん×ショタ少年本です。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は24~26P(平均24P強)と、中の上クラスのボリュームのある構成。滑らかな読書感のシナリオから放たれる分、フェティッシュなエロ要素に刺激があり、読み易さと使いやすさが両立されていると言えるでしょう。
【しっとりとした淫靡さがありつつ穏やかな雰囲気の倒錯劇】
偶然出会ったNINJA(敢えて英字表記なのはお察し下さい)姉妹と棚ボタセックスというカラッと明るいエロコメな短編「はいぱーDUEL!」を除けば、年上のお姉さんや母親との背徳的なセックスを描く作品で占められており、淫靡な香りが静かに単行本全体を覆っています。
告白してきた年下の少年を僕として弄ぶ少女を描く短編「犬の生活」、また逆に母親を背徳の快楽の虜とし、その連鎖が広がっていく連作「堕落母子」のように、主従関係や近親相姦、また時々絡める寝取り/寝取られ要素など、男女の歪んだ関係性をストーリーの軸に据えて、それらをインモラルに仕上げる手腕は相変わらず冴えています。
加えて、その背徳の関係に常識からの逸脱の甘美さこそあれ、強い陰湿さや悲劇性がないことも大きな特徴であり、ちょっとした恋愛感情や相互依存の安心感によって作品のムードを柔らかいものにしているのも実に素敵。また、ある種の歪みを孕みながらも、各人が幸福の内にあるラストは何だかんだで平和だったりしますし、一般的なラブコメ系の作品(短編「疾風の如く・・・」)も存在します
また、ごく普通そうに思える女性から、時にSな女王様の高慢さを、時に被虐快楽の徒としての業をサラリと、しかして味わい豊かに引き出してくる技術は、キャラ立ての良さであると同時に作品全体を引き締めています。
やたらと仰々しい過激ワードが散りばめられた帯と表紙絵に引いた方もいるかもしれませんが、中身は大層読み易く、かつ読後感も存外に穏やかなタイプが多いのでエロの属性が合うなら是非ともご一読して欲しいところ。
【華奢なショタ少年とそれを包み込む柔らかい肢体の女性】
連作のママさんコンビのように、前単行本での登場比率が高かった20代後半~30代後半のアダルト美人さんも少年喰いに活躍していますが、今単行本では平均年齢が下がってミドルティーン~20代前半と思しき年上美少女・美女が主体。
強く明瞭なセックスアピールを有する爆裂ボディとして女体を描くのではなく、どこか冷たさを感じさせるようなきめ細かい玉肌とその下に潜むふっくらとした柔肉の温度感が混在した肢体描写は、美しく上質な色香をまとっています。
上述した通り、ごく普通の女生徒や主婦として冒頭では描きつつ、少年を魅了し翻弄するSな魔性や少年の与える快楽に悶えながらそれを悦びに変換していく母性の業を上手く抽出しているのも魅力の一つ。
なお、褐色肌の美人を描くと素晴らしいものがあると個人的に定評がある(胡乱な表現)作家さんですが、今単行本でも褐色肌な美人NINJAさんが登場するのは嬉しいところ。
萌えっぽさというよりオールドスクールな絵としての可愛らしさが混ざる写実寄りの絵柄であり、クドくならない程度にトーンワークを加えて一定の濃さを生み出すなど、なかなか洒落た画風は単行本を通して安定しています。
【オーソドックスなエロ展開に十分量練り込められたフェティシズム】
ページ数に十分な余裕があることもあって、エロへの分量配分はしっかりとしており、行為に至る人物関係の背徳性に加えて総じてフェティッシュな味付けがされている分、オリジナリティーと濃さのある作りになっています。
ヒロインの柔肌に包まれながら腰を振ったり振られたりで膣内射精に導かれるピストン運動もエロの核としながら、むしろそこに至るまでの肢体の絡みあいや性器への愛撫といった、互いの興奮を高める前戯パートに淫靡さが濃く漂っています。
少年側による秘所へのクンニや、前後の穴への抽送によって、グニグニと蠢く媚肉の間からお漏らしや潮吹きによって飛沫が飛び散る様も実に倒錯的であり、抜き所として良好になっています。
また、女性複数と男性が絡む場合が多いことの結果として、女性同士の絡みも多くなっており、互いに性感帯を指や舌で愛撫し合う様をエロのアクセントとして投入。この辺りも、通常の男女のセックスとは異なる倒錯性の増強に寄与していると感じます。
フィニッシュシーンでこそ派手な絶頂台詞を飛び出させるものの、そこまでの展開での台詞は抑揚が抑えられており、モノローグなどを有効活用してヒロインやショタ少年の感情の動きそのものしっとりと伝達する演出によって、全体的な煽情性の積み上げを行っているのも一つの美点でしょう。
年上お姉さんと少年の妖しいアバンチュールにやはり強い魅力の作家さんだなと認識させられましたし、ヒロインの年齢を問わずに描けるテクニックの幅広さを示した1冊でしょう。
とは言え、コミカル風味の添加にも味のある作家さんなので、軸をショタ少年モノに置きつつも色々な作風にもっと幅を広げていって欲しいなとも思います。
個人的なお気に入りは、恍惚の表情がゾクゾクさせられる静香嬢のS加減が絶妙の短編「犬の生活」とNINJA姉妹が大活躍(性的な意味で)な短編「はいぱーDUEL!」でございます。
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