光州広域市の聴覚障害者特殊学校「インファ学校」で起こった性的暴行事件の裁判をめぐり「光州インファ学校性暴力対策委員会」(以下、対策委)は28日「控訴審の裁判長は障害者の特性を考慮せず、無理な審理を行っている」と主張し、裁判長の交代を要求するとともに、頭を坊主にし、断食による抗議行動を開始した。
100人以上の対策委関係者はこの日午前、光州高裁前で会見を開き「控訴審の裁判長は中立的な立場で審理を行わず、被害者の障害女性に性的暴行を加えたインファ学校の前行政室長(64)に対し、無罪を宣告しようとしている」と主張した。
対策委は「裁判長は被害者の傷害と性的暴行との関連に疑問を呈し、主観的な意見を主張するなど、障害者の特性を全く考慮していないようだ」と批判。さらに「今回の控訴審裁判で公正さと客観性を確保するため、法廷での全ての審理を録画・録音することと、この裁判を公開で行うことを要求する」などと述べた。
対策委は「(裁判長は)妊娠7カ月の被害者や目撃者など、直接被害を受けた障害者を次の審理の証人として採択した上、出席をためらう目撃者を強制的に連れてくることもできるなどとほのめかした」とした上で、検察に対し「裁判長忌避申請」を行うよう要請した。
これに対し裁判長は「捜査段階から一審が行われるまで、事件が発生した時期や経緯などに対する審理が不十分だったため、正確な判断を下すには被害者の証言が必要だ。また証人尋問はこの部分だけに限定する」とコメントしている。
対策委は光州での会見と同じ時間に、被害者の診察を行った与党セヌリ党のシン・ウィジン議員と共に、ソウル中央地裁前でも会見を開き、裁判長忌避申請の受け入れと公開裁判への変更を要求した。