■5年間続いた公演
初演は1897年5月22日に当時のウィーン帝立・王立宮廷歌劇場(現在のウィーン国立歌劇場)で行われ、当日は満席だったという。パク研究員によると、バレエ作品は平均で2カ月、長くても2年の公演が一般的だったが、『コリアの花嫁』は5年間にわたり公演され、相当の人気を集めていたことが分かるという。
舞台には大型のアーチ8個と岩の壁のセット4個が設置され、衣装は312着が使われた。これは現在ブロードウェーで公演されているミュージカル『ウィケッド』の350着に匹敵する。残されている衣装画は「韓国人のおじいさん」と命名された1点。白いパジチョゴリ(男性用の民族衣装)にきせるという姿だ。
宮廷歌劇場は当時も最高レベルの公演施設に数えられていた。1869年5月にモーツァルトのオペラ『ドン・ジョバンニ』でこけら落としを迎えた。『コリアの花嫁』が公演されていた時期は、オーストリアの近代作曲家・指揮者のグスタフ・マーラーが総監督を務めていた。マーラーは1897年4月に常任指揮者となり、10月から総監督を務めた。
パク研究員は「初演が終わった後、一部の舞曲の楽譜が市販されるほど大衆的な人気を集めた。当時の批評や販売用楽譜の存在からみて、大韓帝国期にウィーンで韓流があったことが分かる」と述べた。
今回の発見は韓国学中央研究院の韓国学振興事業団が支援し、ベルリン自由大韓国学科とボーフム大学韓国学科が共同で進めた海外韓国学中核大学育成事業の一環によるものだ。