中国、南シナ海で領海主張を強化

 南シナ海がパレスチナのような「アジアの火薬庫」になるとの懸念も高まっている。フィナンシャル・タイムズによると、東南アジア諸国連合(ASEAN)のスリン事務総長は「関係国が緊張緩和に向けさらに努力を傾けなければ、南シナ海がもう一つのパレスチナと化しかねない」と警告した。

 スリン事務総長は「最近の権力交代、国力の急速な向上、民族国家建設の本格化など中国国内の力学的変化が南シナ海紛争の悪化の主因だ。アジアは数年以内に紛争のピークを迎える可能性がある」とも述べた。

 中国軍も空母艦載機「殲15」の離着艦訓練に成功して以降、強い自信を示している。中国国防省は27日、今月中に中国海軍の艦隊が西太平洋への進出演習を行うと予告し、28日に海軍の艦船5隻とヘリコプター1機が日本の宮古島付近の公海を経由し、太平洋に出る演習を実施した。こうした演習は今年に入り6回実施されたが、今回のように演習時期を事前に予告した例はこれまでなかった。

 28日付中国紙・解放軍報によると、中国海軍の呉勝利司令官は27日、中国を訪れているメイバス米海軍長官と会談した際、中国初の空母「遼寧」の試験航海と殲15の離着艦訓練成功について紹介したという。中国は米海軍のトップを前に軍事力の近代化ぶりをアピールした格好だ。

 米国も対抗姿勢を示している。米国務省のヌランド報道官は殲15の離着艦訓練成功が報じられた26日「米国は中国のあらゆる軍事的発展状況を引き続き注意深く監視していく。アジアの同盟国を引き続き支持し、必要に応じて適切な措置も取る」と述べた。

北京= 崔有植(チェ・ユシク)特派員
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