ほかの自治体と重複して生活保護を申請しおよそ65万円を不正に受給していたとして、埼玉県川越市は、28日、30代の男性を詐欺の疑いで警察に告訴しました。
告訴されたのは、ことし5月中旬から9月下旬まで川越市から生活保護を受けていた住所不定の30代の男性です。川越市によりますと、10月中旬頃、この男性が生活保護費を重複受給している疑いがあるという都内の自治体からの情報提供があり、調べた結果、男性はことし1月から10月まで埼玉県南部にある別の市でも生活保護を受けていたことがわかったということです。川越市は、9月下旬に男性の生活保護を打ち切っていましたが、問題が発覚したことを受けて、それまでに支払った医療費9万円を含む65万円あまりの生活保護費を返すよう男性に文書で請求しました。ところが男性からの回答はなく行方も分からなくなったため、28日、詐欺の疑いで警察に告訴したということです。川越市生活福祉課は、「重複受給は生活保護制度の根幹を揺るがす極めて悪質なケースと判断したため告訴しました」と話しています。