北海道で依然停電続く 市民生活に影響11月29日 12時4分
27日に暴風雪に見舞われた北海道の登別市などでは、依然、およそ8000世帯で停電が続いています。
登別市などでは高圧の送電線がかかった鉄塔が倒壊するなどした影響で、27日から停電が続いていて、北海道電力によりますと、29日午前10時現在で登別市内のおよそ7700世帯をはじめ6つの市と町の合わせておよそ8000世帯が停電しています。
北海道電力では、倒壊した鉄塔に代わる施設を設ける復旧工事を行っていますが、新たな送電線の取り付けや電気を通す作業が残されていて、全面的な復旧は30日午後になる見通しです。
この工事のため、道央自動車道は「登別室蘭」と「登別東」の間が午前11時半から午後5時半までの間、上下線とも通行止めとなります。
また28日夜は、停電で暖房が使えない250人余りが避難所での生活を余儀なくされるなど、市民生活への影響が続いています。
町内会でお年寄りの家を見回り
登別市では、町内会の人たちがお年寄りの家を回り、安全確認などを行っています。
登別市の連合町内会は、東日本大震災を教訓に、市や社会福祉協議会と連携して65歳以上の1人暮らしや75歳以上の人がいる世帯の住所や連絡先を把握して、災害のときには安否確認を行うことにしています。
このうち登別市の幌別第2町会では、町内会の役員2人が、避難をせずに自宅で生活を続ける70代のお年寄り夫婦の家を訪ねました。
この家では、停電が続くなか、隣町に暮らす家族が通いながら世話をしているということで、町内会の人たちは困っていることないかどうかや避難所を訪れない理由などを聞き取っていました。
男性は、妻に持病があり、食事などの面で避難所では過ごせないと事情を説明していました。
登別市連合町内会の山田正幸会長は「これまでは、避難している人にいかに手を差し伸べるかを重視してきたが、避難できない人のほうが大変だということが分かった。対応を考えたい」と話していました。
自衛隊がストーブに給油
登別市では、冷え込みが予想されるなか、自衛隊の隊員が市内6か所の避難所を回ってストーブの給油を行いました。
このうち登別市の市民会館では、150人余りが避難し一夜を明かしましたが、29日午前中、自衛隊員が訪れ灯油の減り方を確認しながらストーブに給油していました。
28日から避難している64歳の男性は「家は電気が来ていなくて寒いので、ことばでは言い表せないくらいうれしい」と話していました。
室蘭の病院では外来診療再開
北海道室蘭市の市立室蘭総合病院は、停電のため27日から休止していた外来患者の診療を29日から再開しました。
市立室蘭総合病院では、27日から停電のため外来患者の診療を休止にしてきましたが、28日夜までに「本線」と「予備」の2系統ある配線のうち「予備」の電力の供給が復旧したということです。
これを受けて、病院は業務に支障はないと判断して29日午前9時から診療を再開しました。
病院の受付には患者が次々と訪れ、診療の手続きをしていました。
病院を訪れた登別市の50代の女性は「外来診療が再開されると聞いて来ました。母の薬がきょうでなくなるので、助かりました」と話していました。
病院では停電をしている間、自家発電機を使って入院患者や救急患者の治療にあたる一方で、大量の電力を必要とする検査機器による診療はほかの病院に依頼し対応してきました。
市立室蘭総合病院の東海林哲郎院長は「外来診療を再開できてほっとしている。長期間の停電は初めての経験だったが、市内のほかの病院と連携して何とか乗り越えることができた。今回の経験を今後の対応に生かしたい」と話していました。
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