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北電の対応に不満 停電なのにファクスに 説明の会見も開かず

(11/29 10:51)

 室蘭市や登別市などで発生した暴風雪による大規模停電は、地域によって復旧が29日以降にずれ込んだ。復旧見通しなどの情報がない中、長時間の停電を強いられた自治体や商店主などからは、「詳しい状況をきちんと知らせてほしかった」と、北海道電力の対応に対する不満の声が上がった。

 登別市では、停電の起きた27日午前から市職員が情報を求めて北電室蘭支店へ電話をかけ続けたが、つながったのは正午前。北電によると、関係自治体へは朝にファクスで一報を送信したが、登別市役所は停電でファクスが動かず、情報が伝わらなかった。

 同市の担当者は「停電を知っている北電がなぜファクスなのか。住民への周知などで、結果的に初動が遅れた」と憤る。

 北電は27日午後の記者会見で、送電用鉄塔が倒壊した登別市内の停電は「復旧まで3日ほどかかる」と説明。室蘭市内については、同日午後7時ごろに復旧するとの見通しを示した。

 だが、室蘭市内で風の強い状態が予想以上に長引き、復旧作業が停滞。同市内の停電は28日になっても断続的に続いた。しかし、北電は復旧が自ら示した見通しを大幅に過ぎたにもかかわらず、記者会見などの説明を行わなかった。

 室蘭市のガソリンスタンド「北海道エネルギー輪西SS」は停電のたびに営業をストップ。利用客からの営業再開の問い合わせに答えることができず、藤浪昭生所長(38)は「北電が頻繁に情報提供してくれれば…」と頭を抱えた。

 同じく営業休止せざるを得なかった同市の食品スーパー「アルファマート母恋店」では、店を訪れた客から「昨日から食べていない。いつ再開するのか」と問い詰められる場面もあったが、北電へ電話しても通じずじまい。小林秀樹社長(61)は「非常時の問い合わせに対応できる態勢を整えるべきだ」と、危機管理のあり方に疑問を呈した。復旧見通しを的確に説明できなかったことについて、北電は「風がいつ弱まるか分からなかった」と釈明している。

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