地方「新駅必要」発言 知事、栗東市長に直接謝罪 滋賀2012.8.21 02:07

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「新駅必要」発言 知事、栗東市長に直接謝罪 滋賀

2012.8.21 02:07

 ■「あくまで中長期的ビジョン」

 東海道新幹線の県内での新駅設置を中止に追い込みながら、リニア中央新幹線開通を見越して突然、「県内に新駅は必要だ」と発言した嘉田由紀子知事が20日、栗東市の野村昌弘市長と同市役所で面会し、「発言する前に栗東のみなさんにご相談するべきだった」と謝罪した。知事は発言の趣旨について「あくまで中長期的なビジョン」と釈明したが、野村市長は「納得はしていない」と不満を示し、地元の不信感は収まる様子を見せていない。

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 今月6日の中部圏知事会議で、嘉田知事が新駅必要論に転じた後、初めて2人が直接に面会した。大勢の報道陣が詰めかける中、知事は冒頭、「栗東のみなさんに大変ご心配かけたことをお詫び申し上げたい」と陳謝した。

 一方、野村市長は「かなりショッキングな話だった。県民すべての方が『何で』って思っている」と批判。そのうえで、「今回の発言については説明不足、配慮のなさ、また誤解もあるかと思うので、早急にご説明お願いしたい」と詳細についての説明責任を求めて、語気を強めた。

 嘉田知事は「発言は特定の場所などを想定したものではなく、あくまで中長期的に必要だろう、という方向性を打ち出しただけ。中身は白紙」と述べた。新駅の建設予定地だった栗東市の4自治会が、発言の真意を求め、嘉田知事に申し入れていることについては「9月上旬ぐらいに4自治会に説明したい」と具体的な期日を明言した。

 約30分間の面会後、それぞれが個別に報道陣の取材に応じた。野村市長は、知事の釈明について「納得はしていない。(望むような)回答はなかった。中長期的なことだからこそもっと説明が必要でないのか」と主張。一方、嘉田知事は「高コスト事業への慎重姿勢は変わっていない」と述べ、栗東新駅を中止に追い込んだ5年前から経済コストを考慮した施策の方針に転換はないことを改めて強調した。

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