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'12/11/29

江戸期の常夜灯、元の地に




 庄原市東城町の上町自治振興区が、江戸時代から町内に残る常夜灯を、昭和初期までもともとあった町中心部に戻した。たたら製鉄で栄えたこの地域の豪商たちが、水の神を祭り、川船による鉄の輸送の安全と商売繁盛を願って建てたもの。地域の歴史や文化を伝える狙いで取り組んだ。

 常夜灯は高さ約4メートル、幅と奥行き約2メートルで、花こう岩製。

 同自治振興区が、これまであった世直(よなおり)神社の参道から約300メートル東の街中に再び戻した。市の補助を含め約350万円かけた。土地は市から無償で借りた。

 夜間に点灯し、「備中町常夜灯」の呼び名で住民や観光客に親しんでもらう。

 東城町はたたら製鉄で栄えた。同振興区によると、中心部は鉄の集積地。鉄は成羽川の川船などで関西方面へ運ばれた。常夜灯は1800年ごろできた。その後、道路や輸送手段の発達で、大正時代初めに川船は姿を消した。川を照らす役目を終えた常夜灯は昭和初期、道路拡張などもあり、神社参道に移されたという。

【写真説明】中心部に移した常夜灯を見る安川さん(右)たち




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