【橋本幸雄】日本銀行が28日発表した2012年度の上半期決算は、一般企業の純損益にあたる当期剰余金が2329億円の赤字だった。上半期の赤字は4年連続。赤字額は前年同期の1362億円を大きく超え、過去最大となった。円高や株安の影響で、日銀がもっている外貨資産の為替差損や株式の評価損が出たことが響いた。
日銀は1年間を通じた決算の剰余金から政府に納付金を納めている。これまでは上半期では赤字でも、下半期で円安になるなどしたため、通期で当期剰余金が赤字になったのは、1971年度の1回だけだ。
日銀はかつて政府から一時的に買い取った外貨資産の運用益を、外国債券などとして約4.6兆円もっている。3月末に1ドル=82円台だった円相場は、9月末に78円台まで円高ドル安が進んだ結果、3076億円の為替差損が発生した。