・10/12
 
 
アルベルタをふらついていたらなにやら人だかりができている。
一体何の騒ぎだと様子を窺うと、

イベントを開催しているようで、
僕はその場で静聴し、イベントの趣旨を理解しようとした。
その趣旨とは即ち「ROプレイヤーの主張」であり、
なにか大声で主張したいことがあるプレイヤーは壇上に上り、
声高々に自分の主張を叫び、傍聴者に笑い・賛同を求めることにより
己のストレスを発散させようではないか、
とそういうイベントであると解釈した。
 
 
 

ノービスの主催者が、枝・煽り・誹謗中傷はなるべく避けるようにと
参加者に釘を刺し、次にイベントスタッフが主張の見本を実演するから
参考にするようにと参加者に呼びかけた。
 
 

このエドさんがスタッフらしい。
一体どんな主張なのだろうか。
 
 
 
 
 

これは一体何を叫び、主張しようとしているのか、
僕は必死に理解しようとしたが、
どう考えても宣伝としか思えず、
イベントの初っぱなから暗雲が見え隠れする。
だが、周りの連中はなにか納得しているようであった。
暗雲が見え隠れしているのは僕だけなのかもしれない。
 
 
 

それはともかくとして、
僕はこのイベントになにかしらのスパイスを入れたくてウズウズしていた。
こういう時の為に枝を300本程度用意しておいてよかったと胸を撫で下ろし、
早速それを持ってこようと蝶の羽でカプラ前まで飛ぼうとしたところ、
ジンツという人物から耳打ちが入る。
 
 
 

日頃から誰なのかわからない耳打ちは多いのであるが、
彼の場合、何回も耳打ちをしてくるし、一度くらい反応をしておくかと
返信をしたところ、
 
 
 


以前、僕にPvPフィールドで殺されたらしく、
殺り返したいので一戦交じあってくれとのことだ。
だが、今はイベントのことで頭が一杯なので、後でいくと
告げておいた。
 
 
 

蝶の羽を使うとコンロンに飛んだ。
カプラに向かう途中、油を垂れ流している連中と遭遇。
放っておくわけにいかず、召喚しているモンスターを射殺し、
事無きを得る。
 
 
 
 
一瞬にして、油パーティの様子が豹変。
彼らの僕を呪う意志がピリピリと伝わってきた。
 
 
 
  
油パーティのイライラ度は最早限界にきているようで、
僕を闇ポタしようとしてきたり、暴言を吐いたりしてきた。
これは僕のこれまでの統計なのであるが、
油パーティの怒りの沸点は例外なく低い。
20秒足らずで怒りが爆発するのである。
 
 
 
 
こうなるともう手がつけられない。
手をつけようとは思わないが、とにかく僕はやるべきことをやる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

怒りの余り、殺したい程憎しみが高まったのだろうか、
Pvエリアで僕を殺すと宣言された。
 
 
 
 
迂闊にも誘いにのってしまった。
 
 
 
 
プリがPvエリアまでのポタを出すという。
 
 
 

彼が入り、僕もそれに続く。
 
 
 

だが、着いた先はジュノーフィールド。
わかっていたことであるが、彼には最初から戦う覚悟なんてなかったのだ。
 
 
 

そういうと彼は帰ってしまった。
 
 
 

僕も現場に戻り、油垂れ流しを再度阻止する。
さっきの騎士には目もくれず、一言の言葉も発さず、
僕はひたすらにやるべきことをやり続けた。
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

漸く、彼らが活動を停止する。
と、同時に全員が怨嗟の目で僕を見つめ出した。
 
 
 

本来なら、彼らが散り散りになるまで監視をするのだが、
今はアルベルタのイベントも重要だ。
こうしている間にもイベントは終わってしまうかもしれない。
僕は急いでカプラ倉庫から枝を300本取り出し、コンロンを後にした。
 
 
 

アルベルタに戻ると、イベントはまだ続いていた。
隠れたまま壇上に忍び寄る。
 
 
 

だが、いきなりここで枝をまいたりしない。
まずは、主張したい参加者の話を最後まで聴き、
その上で主張者を殺すかどうか決める。
そういうことにした。
 
 
 

まずは、このキース・マクガイル君の話を聴いてみることに。
場が静まりかえる。
 
 
 

開口一番、彼は空白発言をし、ログを流した。
早くも枝を叩き折りたい衝動に駆られたが、
ここは我慢。素晴らしい主張が聴けるかもしれないからだ。
僕はじっと待った。
 
 
 

その瞬間、
 
 
 
 
 

僕は思わず枝を100本以上折った。
彼には死んでもらうことに。
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
本日2人目の通報命。
 
 
 
 
 
場は一時騒然となった。
 
 
 

次こそはちゃんとした主張聴かせてくれよな。
 
 
 

こりゃ失礼。
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
なるほど、今度はちゃんとした主張みたいだ。
こういうのを待ってたんだよ。
 
 
 

だが、話が長かったのでやはり殺した。
 
 
 

てめぇいい加減にしろよと、一部のプレイヤーが怒り狂いだした。
氷付けにされ、身動きがとれない。
 
 
 
 
主催者はなんだかとても疲れていた様子であった。
 
 
 

会場が荒れ出したせいか、主催者がイベントを切り上げたので、
最後に主催者を殺しその場を後にした。
 
 
 

だが、まだやるべきことがある。
僕と勝負がしたいというジンツ君に連絡を入れた。
 
 
 

話し合いの結果、僕vsジンツ率いる4人PTでの決闘をすることになった。
 
 
 

相手はハンター、騎士、プリースト、バード。
いずれもLv90台前後の真剣勝負ということで骨が折れそうだ。
モンクがいないだけマシだと判断した。
 
 
 
  
僕が勝てば300kを貰うことに。
 
 
 
  
 
 
 

各人が決闘場に。
 
 
 
 

試合開始。
 
 
 

奴ら常にルアフをかけていて、隠れながら近づくのは不可能と判断。
屋根がある場所、死角に隠れて相手が通りかかるとすかさずインティミで
拉致しようとしたが、ハンターとバードのDSの発射速度と精度がかなりもので、
ヒットバックで近づくことさえできなかった。
 
 

10分以上の長期戦となったが、
 
 
 

負けた。
ローグを近づけさせない戦法を打ち破る戦法を考えなくちゃいけないな。
 
 
 

ラストに彼とタイマンすることになる。
 
 
 

騎士がタイマンで本気になった時の白ポの積載量は侮れない。