・10/10
修練の一環として、僕は一日一回PvPフィールドに出向いている。
己を高める為、また腕が鈍らぬよう殺しの腕をあげる為である。
無論、友人はいないので一人で出向く。
本日もPvP控え室にて、各PvPフィールドの様子を伺うと、
アルベルタに14人のプレーヤーが集っていた。
「なるほど、修練には丁度いい」と判断し、
これら14人を抹殺するべく、自分はアルベルタ戦場に降り立った。
敵の集団を発見すると、隠れたまま忍び寄り、
生かしておくと後々厄介であろう職をまず一人殺した。
すると、向こうは危険を察知し、警戒態勢に入る。
なにぶん、14対1の戦いなので慎重にいかざるを得なく、
この時点では彼らの懐には飛び込まず射程範囲外ギリギリの位置で
ウロウロして挑発を試みる。
(注,ハイドでやりすごし)
すると、ムキになって僕を殺しにかかってくるプレーヤーが
一人二人出てくるので、彼らを誘導し、
返り討ちにする。
このような方法をとり、
1人また1人と順に殺していくことに成功し、
狩りはとても順調に進んだのである。
さっきから、僕に耳打ちをしてくる人がいるのであるが、
何のことか訳がわからない。
自分達が召還したアークエンジェリングに手を焼いているらしい。
モンスターを倒すことに集中したいから、
殺戮行為を止めよと僕に警告しているのだという。
僕は止めるわけもなく、殺戮行為を続けた。
むしろ、アークエンジェリングに手を貸したくなったことは言うまでもなく、
理不尽に召還され、面白半分に殺されていくモンスターの悲惨さを
彼らに解ってもらいたいという意味も込めての行為である。
やがて、彼らはモンスターを狩ることを諦めたのか、
去っていった。
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↓
フィールドに僕以外いないことを確認。
こうして、モンスターを保護することに成功した。
連中と僕の行為を天秤にかけるとするならば、
その結果はアークエンジェリングの表情から
読み取って頂きたいものである。