ピコイオン

東芝「ピコイオン」

ピコイオンとは東芝が自社製品のイオンに付けている名称です。プラズマクラスターイオンやナノイーでもそうですが、各社が勝手に自称しているだけですので、そういう名のイオンが本当にある訳ではありません。

ピコ(メートル)というのは、宣伝されているようにナノ(メートル)の1000分の1らしく、パナソニックの「ナノイー」を意識した名称であるのはほぼ明白ですが、ここには若干の詐欺的要素が存在します。

実のところ、ピコイオンはナノイー(ナノイオン)の1000分の1ではありません。なぜなら、ピコイオンは一番小さなもので500ピコの大きさ、つまりピコを使うより0.5ナノと表した方が分かりやすい大きさであるからです。(笑)

ただ、ナノイーは約5〜20ナノの大きさであるらしいので、一応最小同士を比べると、10倍の大きさの違いがあります。

10倍違えば、単純に言って結構違うと思います。しかし、派手に1000倍と宣伝しているので、ふざけるな!と言いたくなってしまします。…ここのところは東芝の不徳の成せる技としか言いようがありません。

ピコイオンのその他の特徴としては、サンヨー製ウィルスウォッシャー以外で唯一水道水を使って無理なくイオンに水をまとわせます。その為、イオンの性能(=機外への飛びやすさ)が安定しているはずです。

ただ、実のところ肝心の効果としては、多少の疑問が残ります。

120Lの試験ボックス内の浮遊ウィルスを99.9%除去するのに24時間もかかっていますので(2008年度版のパンフレットより。2009年度からは必要時間は削除済)、サンヨーのウィルスウォッシャーが1m³(=1000L)の試験ボックス内の浮遊ウィルスを約5分間で99%抑制するのに比べると、全く比較の対象とならないです。それでも、イオンの小ささが幸いして布地等によく入り込むのか、付着臭に対応する性能としては、他と大して変わらないようですが(実験の条件が様々なのでよく分からないのです)。

また、若干意味が分からないのは、注意書きに、

実験用の発生装置を使ったもので、製品に同様の効果があることを保証する訳ではありません。

とあることです。実験用の発生装置と市販品に搭載した装置で、どの程度の性能差があるか位は、製造メーカーですから詳細に分かるはずなんですが。

…他のメーカーのに比べると、ちょっと無理がある感じがします。まあ実際、シャープ、パナソニック、サンヨー、ダイキンと比べると存在が地味なんですが・・・。


関連サイト:

「ピコイオン」の発生ユニットを搭載した加湿機能付き空気清浄機の発売(東芝公式サイト)

ピコイオン搭載の空気清浄機(家電Watch)