三洋電機「ウィルスウォッシャー」
「ウィルスウォッシャー」(Virus Washer)とは、三洋電機(サンヨー)の誇る抗ウィルス・除菌イオン技術のことです。他社の技術では、(水分を含む)空気からイオンを生成しますが、サンヨーでは、機器に補給された水道水を電気分解して「電解水」と呼ばれるものを生成し、それを霧状にして空中に散布しています。
この電解水というものは、野菜や哺乳瓶の消毒・プールの水の浄化・カップ式自動販売機で使用する水の長期保存等にも使われる技術で、特に怪しいものではないようです。
水道水が電解水となった段階で、水中には「OHラジカル」と「次亜塩素酸」が1立方センチメートル当たり約8,000兆個含まれますが、空中に散布された段階でも、1立方センチメートル当たり約1億個含まれます。これはシャープ製プラズマクラスターイオンの、1立方センチメートル当たり2万5千個を遥かに上回ります。
また、「OHラジカル」はどのメーカーのイオンでも主構成物質ですが、「次亜塩素酸」はサンヨーのみという話で、しかも、OHラジカルと比べると持続性が高いため、OHラジカルが消えた後も、ウィルス等に働きかけるようです。
実際、「ウィルスウォッシャー」(ウィルスを洗う者)の名前そのままに、ウィルスに対する効果は各メーカー製のイオン中で最大のようで、1立方メートルの容器の中のウィルスを5分で99%抑制する性質があります。
浮遊ウィルスに対しては、空気と一緒に空気清浄機に吸い込んでフィルターで濾す方が早いケースも考えられますが、その性能であれば、空中でウィルスを抑制する方が早い場合も十分あり得るのではないでしょうか。
ただ、圧倒的な空気中濃度を誇るウィルスウォッシャーも、何故かウィルス以外にはそれ程有効ではありません。データー上、対アレル物質(アレルギー性物質)での効果はナノイーと同程度で、ニオイに対しての効果は、他社に劣ります(恐らく5分の4程度)。
考えられる原因としては、霧の粒の大きさが大きすぎてカーテンなど繊維に上手く入り込めないことが挙げられます。アレル物資に対しても、同様の問題があるのかもしれません。
ただ、イオンの生成に際して、他社が湿度や温度の影響を受けるのに対し、サンヨーでは、水道水を人力で補給してやる分、その影響は殆どないはずです。その為、常に安定した性能を発揮できます。この点は性能を語る上で、かなり大きいのではないでしょうか。
ただし、当たり前ですが、その代りに水を補給する手間がかかります(ただし、加湿型の場合にはどのメーカーでも給水は必要です)。これはシャープやパナソニックに対する弱点とされますが、気休めではなく、高い効果を求めてこのような機器を使うのであれば、その程度は仕方がないのではないでしょうか。ちなみに、シャープのプラズマクラスターイオンでは、空中放電によるイオンの高濃度化を求めたために、イオン専用発生機においては、放電ユニットの使用時間に応じての一定期間・数年に一度の交換が必要となり、パナソニックのナノイーでは、ウィルスに対して十分に実用的な効果が得られません。
また、これは何ともな話ですが、その際に使用できるのは、水道水に限られます。これは水道水が塩素を含んでいるからだそうですが、その為、水道を引いていない(地方の)ご家庭では使用できないはずです。
まあそれは別問題として、「ウィルスウォッシャー」という対ウィルスに特化した名前をわざわざ付けているのですから、その点での効果を最優先に求めるのであれば、ウィルスウォッシャー発生装置を搭載した、サンヨー製の機器をお求めになればよろしいのではないでしょうか。
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関連サイト:
ウイルスウォッシャー機能について「電解水の効果」| 三洋電機公式サイト