Panasonic ナノイー(nanoe)

パナソニック「ナノイー(nanoe)」

ナノイー(nanoe)とは、パナソニックが空気清浄機ドライヤー美顔機(ナイトスチーマー)等々自社製品で発生させる除菌・抗ウィルスイオンに付けている名称(造語)です。 "ナノ" とは10億分の1メートルを表し、 "イー" とはイオン、ではなく "electric" (電気)を表します。

このナノイーの発生原理としては、細い金属の棒の先端を冷却して水分を結露させ、そこに高電圧をかけて霧状にして空中に飛ばすというものです。その霧の構成物質は、その段階では「OHラジカル」と呼ばれ、OHラジカル化しなかった水分を周囲にまとって飛んで行くことになります。そしてその水分が、OHラジカルを保護する役割を果たすため、ナノイーは普通のイオン(マイナスイオン)に比べて、約6倍長持ちすると言われています。

その効果としては、まず最も有名なものとして、ウィルス、カビ、アレル物質(=花粉やダニの死骸等のアレルギー性物質)、ニオイを抑える効果があります。また、肌や髪の保湿=美化にも効果があり、更には、食品のビタミンEやポリフェノール等の栄養素をアップさせ、野菜や果物の冷蔵庫内の冷気による低温障害を抑制するともされて、パナソニック製の冷蔵庫にも装置が搭載されています。

しかも、イオン(ナノイー)による副作用・問題点は全くないようで、以上のような良い話ばかりが存在します。

ナノイーの欠点としては、実のところ現実的にはインフルエンザ等のウィルスにはあまり効果がありません。1m³の試験容器に入ったウィルスを99%抑制するのに90分かかりますが、それだと実際の生活空間ではないよりマシという程度だと思われます。浮遊ウィルスであれば、空気清浄機に空気ごと吸い込んでフィルターで濾すのが早いですし、付着ウィルスであれば、ウィルスは湿度が60%程度あれば活動しにくくなるらしいので、加湿してやるのが最優先です。

また、ナノイーでは、空気中の水分を冷却して取りだして使うために、湿度や温度が低いと発生装置内で結露せず、ナノイーが発生しないケースが発生します。発生条件としては、室温約5度〜35度・湿度30%〜85%とされています。ただ、低湿度の問題に関しては、加湿装置付きの製品(⇒「うるおいエアーリッチ」)を使用することで、解決可能なはずですが(温度に関しては、その気があれば暖房で・・・)。

長所としては、イオンが水分を比較的多くまとって長持ちするために、広範囲に広がりやすいです。この点に関しては、範囲の狭いシャープ製のプラズマクラスターイオンに対して、はっきり優位に立ちます。

また、空気中の水分を使用するために、本体機器への水分の補給の手間が省けます(サンヨー製ウィルスウォッシャーと東芝製ピコイオンでは、水道水を直接機器に補給し、そこからイオンを発生させます)。

なので、このパナソニックのナノイーは、ウィルス対策というよりは、生活に即したニオイカビ対策として、そして水分補給の手間がなく、部屋全体に広がりやすい扱い易いイオンということになると思います。

また、ナノイーではイオン発生ユニットの交換が必要ないので、手間や無駄な費用がかからない等とカタログに書かれていますが、これは言うまでもなく、シャーププラズマクラスターイオンへの当てこすりです(発生ユニットの交換が必要なシャープ製は、高性能を追求しているイオン専用発生機と加湿空気清浄機の最上位シリーズのみで、普通の空気清浄機/加湿空気清浄機では交換不要です)。ただ、その代りにシャープ製はウィルスにもっとよく効きます。なので、その話は単純にパナソニックが優れているというものではなく、一長一短のある話です。


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