イスラエルとパレスチナのイスラム原理主義組織「ハマス」が停戦で合意した。14日に始まった衝突では、イスラエル軍の空爆で、多くの民間人を含むパレスチナ人140人以上が死亡した。イスラエルでも5人が犠牲になった。
ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザにイスラエル軍が地上侵攻すれば、犠牲者が増えるのは避けられなかっただけに、これ以上の事態悪化を回避したことを歓迎したい。イスラエルとハマスは合意を守り、停戦を維持してもらいたい。
停戦の実現にエジプトが果たした役割が大きい。ガザをめぐる大規模な衝突はアラブ諸国で相次いだ民主化要求運動、いわゆる「アラブの春」後、初めてとなる。
親米のムバラク政権崩壊後、政権の座についたエジプトのモルシ大統領は、ハマスと源流が同じムスリム同胞団の出身だ。ハマスとの良好な関係を生かし、前政権時代からのイスラエルとのパイプも使って停戦の仲介にあたった。その努力を評価したい。
国際社会の出足も早かった。アラブ諸国が一致してエジプトの調停を支持し、イスラエルに影響力を持つ米国も国務長官を現地入りさせた。衝突が長引けば、混乱が中東全域に広がる懸念もあった。米国とアラブ諸国が連携し、未然に防いだのは重要な成果である。
とはいえイスラエルとハマスの対立が解消したわけではない。イスラエル軍の大規模な部隊がガザ境界に展開を続けている。国際社会は停戦が持続するよう、引き続き監視していかねばならない。
長期的にはハマス抜きでのパレスチナ和平が難しいことが改めてはっきりした。ヨルダン川西岸を統治するパレスチナ自治政府と異なり、ハマスは国家としてのイスラエルの存在を認めていない。
ハマスが自治政府とともに、イスラエルとの和平交渉に加わる仕組みが必要だ。封鎖状態にあるガザの生活環境の改善など、平和共存へ踏み出せるよう日本も積極的に協力すべきである。
モルシ、ハマス、ガザ停戦、イスラエル、イスラエル軍
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