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日本取引所は企業に改革促せ

2012/11/22付
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 東京証券取引所グループと大阪証券取引所が来年1月に経営を統合し、日本取引所グループを発足させることを臨時株主総会で正式に決めた。新市場の誕生を日本企業の改革につなげたい。

 衆院選では経済再生が大きな焦点となっている。日本経済の成長力を高める主役は企業である。日本取引所が旗を振り、企業に改革を求めるべき分野は多い。

 市場から見た日本企業に固有の弱みは、何と言っても効率の低さだ。株主から預かった資本に対する利益の割合を示す自己資本利益率(ROE)という指標を見ると、日本の上場企業は6%程度だ。採算の悪い事業を温存する企業ほど資本効率も低い。

 一方、米欧や新興国の主要企業のROEは15%前後と日本企業の2.5倍だ。国際比較した資本効率の低さが、日本の株式市場の低迷が続く根本的な理由とされる。

 日本取引所は市場の活性化に向け、企業にROEの向上を強く求めるべきだ。例えば企業に資本効率を高める手立てを開示するよう促したり、目的不明の巨額の資本調達を制限するルールを作ったりといった方法が考えられる。

 オリンパスや大王製紙の不祥事をきっかけに、日本の企業統治への批判が強まっている。統治改革も日本企業にとって喫緊の課題であり、日本取引所が主導的な役割を果たせる分野だ。

 会社法改正を議論していた法制審議会(法相の諮問機関)は、外国人投資家が求める社外取締役の選任義務づけを見送った。日本取引所は市場関連規則で、社外取締役を置くよう企業に求めることを検討している。社外取締役を選任しない企業には理由を説明させるといった詳細を詰め、新市場の発足までに発表すべきだ。

 日本取引所も来年1月4日から自社の株式が市場で売買されるようになる。株式市場での評価を高めるとともに、他の上場企業に模範を示すためにも、資本効率が高く企業統治のしっかりした経営が求められる。

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東京証券取引所グループ、ROE、日本取引所、大阪証券取引所、オリンパス、大王製紙

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