似ているけれど意味が異なる言葉
【一抹】
いちまつ
【一縷】
いちる
不安は「一抹」、望みは「一縷」。どちらもかすかな量を表すが、一抹は吹けば飛ぶほど微量の粉、一縷は今にも切れそうな細い糸の意。
【肩肘を張る】
【片意地を張る】
「肩肘を張る」は威張る、偉ぶる。肘を左右に突き出した姿を想像するといい。「片意地を張る」は頑固に自分の考えを通すこと、強情。【なおざり】
【おざなり】
なおざりはおろそかにする、放っておくの意。「等閑」と書く。おざなりは「お座なり」と書き、その場しのぎのいい加減な対応を指す。【折り紙付き】
【札付き】
折り紙とは鑑定保証書。「折り紙付き」は信用できる人物、事物。素晴らしいものに使う表現。悪い定評がある人・物には「札付き」を使う。【心なし】
【心持ち】
「心なし(心做し)か」は気のせいか、「心持ち」はいくらか、ほんの少し。「心なしか寂しそうだ」「机を心持ち右に動かす」と使う。【つましい】
【つつましい】
質素な暮らしは「つましい」。漢字で書くと「倹しい」。「つつましい」は「慎ましい」と書き、遠慮深い、控えめ、の意。本郷陽二さん
1946年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科卒業。光文社カッパ・ブックス編集部を経て、編集プロダクション・幸運社を設立。歴史ミステリ作家として活躍する一方で、日本語やビジネスなど幅広い分野のノウハウ本や雑学本を手掛ける。
もっと詳しく読みたい人は…こちらをどうぞ。
日経おとなのOFF
「美しい日本語と正しい敬語が身に付く本」838円/日経BP社
日々何気なく使っている言葉も、言葉巧みに使いこなせれば、教養の深さやセンスの良さを感じさせられる半面、一歩間違えれば非常識とのレッテルを張られかねない。うっかりミスや恥ずかしい間違いをなくし、美文家の文章からその極意を学ぶ。大人女子として、一目置かれる言葉のセンスが身に付く日本語や敬語の入門書。