言い間違えやすいフレーズ
× 愛想を振りまく
○ 愛嬌を振りまく
愛嬌は好感を持たれる言葉や表情、愛想は対応を指す。対応は振りまけない。愛想を評するなら「良い・悪い」。愛嬌は「有り・無し」。
× 的を得た
○ 的を射た
的は矢で「射る」もの。得るものではない。これは物事の核心を的確にとらえたという意味の慣用句。的を射ない発言は「的外れ」。
× 金に任せて
○ 金に飽かせて
「飽かす」は惜しみなく、ふんだんに使うという意味。金の勢いに任せて、無茶なことをしているわけではない。
× 取り付く暇もない
○ 取り付く島もない
態度が冷ややかで、会話のきっかけすらつかめない様子を表す慣用句。「けんもほろろ」と同義。忙しくて暇がないという意味ではない。
× 食指を伸ばす
○ 触手を伸ばす
食指は「動く」。食指が動くとは食欲がわく、強い関心を持つこと。「触手を伸ばす」には他人のものに手を出すというニュアンスがある。
× 体調を壊す
○ 体調を崩す
調子は壊せない。「体を壊す」ならOK。体調関連では、「熱にうなされる」も間違い。夢にはうなされるが、熱には「浮かされる」。
× 口先三寸
○ 舌先三寸
「口先だけ」という言い方はするが、三寸をつけて四字熟語にするなら「舌先」。「舌の根も乾かぬうちに」も、舌の先と間違う人が多い。
× 顔をうかがう
○ 顔色をうかがう
顔色とは表情に表れた気持ち。顔は「見る」で、うかがうのは顔色。ちなみに不快・不機嫌の表情は「顔をしかめる」。眉なら「ひそめる」。
× 合いの手を打つ
○ 合いの手を入れる
合いの手を入れるとは、話や舞台の進行に応じて言葉や手拍子などを挟むこと。人の話に同意・同感を示して「打つ」のは「相づち」。
× 目鼻が利く
○ 目端が利く
目端は場をよく見計らう機転。もうけ話などをかぎつけるのは「鼻が利く」。「目鼻が」というなら「付く」。だいたい出来上がる、の意。