湖国発の第三極に風吹くか 「未来の党」に京滋の声
滋賀県の嘉田由紀子知事が27日、「卒原発」などを掲げた新党設立を表明したことを受け、京滋の有権者からは原発政策転換への期待や課題を指摘する声が相次いだ。表面化した「第三極」集結への動きに対しては、離合集散を繰り返す政界への不満も聞かれた。
「卒原発を掲げ、日本維新の会とは別の第三極の結集を図ったのはいいことだと思う」と公務員三上弘子さん(27)=大津市=は評価する。主婦岩本亜美さん(32)=野洲市=も「卒原発を前面に出したのは分かりやすい。本気で原発問題に取り組むという思いを感じる」と受け止めた。
打ち出した「卒原発」の注目度は高く、米澤鉄志さん(78)=宇治市=は「脱原発方針が曖昧になった維新の会に依存せず、自分の意思をはっきりと示したことは良かった」。市民団体「見張り番滋賀」代表の澤忠起さん(73)=高島市=は「脱原発を国民的なテーマとして一番に掲げる政党ができることは評価できる」とした上で「今後、廃炉に向けた具体策や工程を明確に示してほしい」と注文を付けた。
一方で、会社員脇三智也さん(31)=近江八幡市=は「知事は『いずれはやめていく』という意味の『卒原発』で、国民の生活が第一が目指していた『すぐにやめる』とは違う。維新の会のように、方針が曖昧にならなければいいが」と危惧する。
コメ農家の橋本善雄さん(67)=米原市=も「小政党が集まるのは主張を通すために必要だが、選挙目的なので本当に考え方が一致しているか疑問」。作業療法士谷村浩子さん(50)=京都市中京区=は「嘉田さんは応援したいけど、小沢さんと組むのはイメージが悪く、民意の受け皿にはならないのでは。脱原発への思いは強いと感じるが、他の政党との違いを感じられない」と話した。
「東日本大震災滋賀県内避難者の会」世話人代表の遠藤正一さん(50)=野洲市=は「嘉田さんは原発から滋賀県、琵琶湖を守りたいという思いが出発点。福島の反省をして土台をしっかり立て直してほしい」と期待する。国民の生活が第一との合流については「小沢さんたちが入ることで政策が濁らないか心配。いかに政策をピュアに保てるかだと思う」と話した。
【 2012年11月27日 23時20分 】