日本のテレビ番組を海外で見る



◆お知らせ
2011年1月18日、日本のテレビ番組を海外在住者にインターネットを通じて有料で転送する業者のサービスが著作権法に違反するかが問われた裁判で、最高裁は同法に違反するとの判決を言い渡しました。
また本件の差し戻し控訴審判決が2012年1月31日知財高裁であり、こうしたサービスを提供した業社に対し、サービス差し止めを命じました。
ただし個人が私的利用の範囲内で番組を別の場所に転送することは、著作権法に抵触しません。

日本のテレビを海外で見るには、大きく分けると二つの方法がある。ひとつは衛星放送やケーブルテレビで視聴する方法。もうひとつはインターネット経由で視聴する方法である。

衛星放送で視聴する

視聴するには、衛星放送サービス会社と契約し、受信アンテナとデコーダー(レシーバー)を設置する。または、衛星放送サービス会社と提携しているケーブルテレビからも視聴が可能である。主な衛星放送は
JSTV(欧州、中東、北アフリカ、ロシア)とテレビジャパン(米国)。ただし受信可能エリアについては、事前に確認が必要である。

インターネット経由での視聴は場所を選ばない 画期的だが著作権の問題も

世界中どこにいても、ブロードバンドでインターネットにつながる環境さえあれば、日本のテレビ番組を視聴できるサービスが話題を呼んでいる。これまでのレンタルビデオや録画代行などのサービスとは違って、日本国内の自宅などにテレビチューナー付きのパソコンや専用機器を設置し、インターネット上から操作する仕組みである。
ブロードバンドの普及に伴う新しい分野ということもあって、テレビ番組の著作権や著作隣接権の問題が発生、裁判になるケースもあるなど不透明な部分が残る。番組視聴を歓迎している在留邦人が急増しているだけに、今後の動向が注目される。
なお、2012年1月31日テレビ番組をネット経由で海外などでも視聴可能にした「まねきTV」「ロクラクII」に対し、知財高裁はテレビ局の訴えを認めてサービス差し止めを命じた。

ネット経由の視聴サービス確認ポイント

設置場所(自宅型・業社型):
自宅型は日本に親機を設置する。業社型は不具合が生じた際対応してもらえる安心感がある。
視聴方法(リアルタイム型・録画型):
リアルタイム型は日本の番組放送と同時間帯に見られるが、安定した高速ブロードバンド回線が必須。録画型は録画とダウンロード作業が必要。
使用機器(PC型・非PC型):
PC型は業社独自のソフト等を搭載し機能が豊富。非PC型は比較的接続が簡単である。

代表的なサービス会社

各社のサービス内容の比較表を掲載する。サービス内容は慎重を期して書いてあるが、変更の可能性もあるので、各社のウェブサイトで詳細を確かめていただきたい。

衛星放送・ケーブルテレビ
サービス名称 サービス概要
JSTV 欧州・中東・北アフリカ・ロシアで唯一の日本語衛星放送局。1日24時間、ニュース・ドラマ・教育・スポーツ・子ども番組等、様々な日本の番組が楽しめる。主なニュースは日本と同時放送。チャンネルは“JSTV1”と“JSTV2”の2チャンネルあり、“ラジオ日本”も24時間放送している。
テレビジャパン アメリカ、カナダで生活している人々のニーズに合わせ、NHKライブニュース、ドキュメンタリー、ドラマ、映画、バラエティなどの番組を、24時間日本語で放送。衛星放送のDISH Network、各ケーブル会社、大手電話会社によるIPTVを通じて視聴できる。
インターネット経由の視聴サービス
サービス名称 設置
場所
視聴
方法
使用
機器
サービス概要
WatchJTV 自宅 リアルタイム
/録画/ストリーミング再生/インターネットTV
専用PC(PC型) 専用テレパソ1台購入のみ、ユーザーが自宅に機器を設置。回線は自分で用意。ルーターの設定無料。iPODシリーズ, 携帯メディアプレーヤ、AppleTVと連携しテレビを視聴するためのRSS機能 搭載。
どこでもテレビ 自宅 リアルタイム
/録画
専用機器 テレビ視聴をするために必要なルーターのセットアップやインストール、専用機器の設置など全て代行してくれる。契約しているBS、CS、ケーブルテレビ、地デジ視聴可能。
Slingbox 自宅 リアルタイム
/録画/
専用機器 専用機器「Slingbox」購入するだけ。ユーザーが自宅に機器を設置。回線は自分で用意。パソコン、スマートフォン、iPadなどからHD画質で視聴可能。BS/CS/地デジ/ケーブルテレビ/ひかりTV/アナログ放送など。外出先から録画も可能。
WAVECAST 自宅 録画 専用機器 専用機器「WAVECAST-01」購入するだけ。ユーザーが自宅に機器を設置。回線は自分で用意。パソコン、スマートフォン、iPadなどからHD画質で視聴可能。HDDディスク標準内蔵で500時間録画、端末ソフトは全て無料、外出先から録画も可能。
JapaneseTV.net 自宅 リアルタイム
/録画
専用TVサーバー
視聴のためPC
サーバー設置場所で視聴可能な地上波テレビ放送をパソコンに内蔵したテレビ
チューナーで受信し、映像をリアルタイムで圧縮して配信または録画するシステム。
リモートアクセス 自宅 PC環境による 紹介製品以外に自分のPC環境(PC型) 機器の紹介。リモートアクセスルータ、TVチューナー&MPEGキャプチャを設置してデータ転送。PCのことが分かる人向け。

※上記の各サービスのお申込みにあたっては、お客様自身でよくお調べのうえ、自己責任でご契約頂きます様お願い致します。

使ってみての感想

利用する前までは、小さい画像がカクカク動くようなイメージを持っていたが、実際に見てみると、十分なクオリティを持っていると感じた。今回は自宅設置型のサービスを利用、日本側のサーバーは光回線に接続し、受信側は台湾で2MのADSLを使用、日本のテレビをリアルタイム視聴した。実際のテレビやDVDなどの画質にはおよばないもののVHSのビデオテープで録画した画像のクオリティはある。動きもスムーズだ。しかもそれがリアルタイムで見られるのだから感動ものである。前述のように、海外に住む誰もがこの恩恵を受けられるわけではなく、ブロードバンドの品質(速度/安定性)に依存するので十分な注意が必要だ。


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