【伊藤衆生】通常の4分の1以下の碁盤「九路盤」でコンピューターとプロ棋士が対決するイベントが25日、東京都調布市の電気通信大で開かれ、プロ側が6戦全勝した。コンピューター囲碁は実力が急向上。九路盤ではすでにプロに肉薄しているが、難解な局面に持ち込むプロの作戦が図に当たり、コンピューターのミスを誘い出して完封した。
出場プログラムは世界最強といわれる「Zen」。蘇耀国八段、大橋拓文五段、一力遼二段が、それぞれ黒番、白番で1局ずつ戦った(黒番7目コミ出し=持碁あり)。
第1局は白番のZenが優勢に打ち進め、プロ側は負けを覚悟した。だが、読みの入った白18、20からの石塔シボリが皮肉にも混迷の原因になった。白24なら逃げ切れたという。最後は黒33と切られ、負けを読み切って投了。白aは黒b、白20、黒cで上辺が全滅。また白dは黒b、白e、黒fで下辺が取られる。
初戦の逆転勝利はプロ側にある推測を与えた。「1カ所で複雑な変化を読ませると他の部分で読みの精度が落ちるのでは」と大橋五段。第2局はコウの複数できそうな局面に導き、しかもすぐには仕掛けない、という戦いにした。
今年3月の対局でZenに1勝1敗だった大橋五段は、「事前に研究もして、コンピューターの癖を考えながら戦った。接戦ばかりで全勝は意外ですが、ほっとしました」と語った。
主催した電気通信大の研究グループ「エンターテイメントと認知科学研究ステーション」の伊藤毅志代表は「コンピューターは、特に白番ではプロをかなり追い詰めながら逆転された。プロのすごさがかいま見られたと同時に、コンピューターが新しい感覚の手をみせた対決でした」と振り返った。
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