韓国で教育への投資回収できない大卒者増加

LG経済研究院が調査結果を公表

 地方で専門大学(短大に相当)を卒業し、ソウル市内の薬局でアルバイトをしているCさん(26)は、1カ月の収入が130万ウォン(約9万8000円)ほどだ。

 もちろん最初は、アルバイトではなく安定した職場を求めて就職活動に力を入れたが、最終的に就職できず、1年前から今の仕事を続けている。Cさんは大学を卒業したことを後悔しているという。中学生のころ、Cさんと同じような成績で特性化高校(旧商業・工業高校)に進学した友人は、高校卒業後に仕事を始め、今ではある程度安定した生活ができているからだ。Cさんは「商業高校を卒業した知り合いの中には、すでに300万ウォン(約22万7000円)近い月給をもらっているケースもある。卒業したことがさほど自慢にもならない大学の看板を手にするために、何年も無意味な時間を過ごしたようで、とても後悔している」と語った。

■67万5000人、大学に進学しない方が良い

 LG経済研究院は27日「教育投資費用を回収できない大卒者増加」と題する報告書を公表し、その中で「経済的な側面から見ると、大学に行かない方が良かったと考えられる大卒者が増えている」と結論づけた。

 この報告書は大学進学を一種の「投資」と見なし、卒業後に期待される所得と教育費支出を比較することにより、教育という投資の収益率を計算したものだ。これは高卒者と大卒者それぞれの(教育)費用対効果を比較したもので、大学に支払う授業料と、大学に通う4年間に手にすることができない賃金所得は全て費用と見なされる。

 その結果、大学教育への投資による収益率の差が0以下となるケース、つまり費用を考慮すると、高卒者に比べ大卒者の方が期待所得の低いケースが、2011年の時点で67万5000人に達していたことが分かった。これは1995年に行われた同じ調査の結果(8万1000人)に比べ、大きく増加している。しかも、専業主婦や求職の意志がないケースはこれに含まれておらず、これらも含めると、期待所得が高卒以下となる大卒者の数は、最大で180万人にまで増加する可能性もあるという。これは大卒者全体の14%に相当する数だ。

パク・ユヨン記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース