27日早朝から室蘭地方を襲った暴風雪は、電気や水などのライフラインをまひさせ、室蘭地方を暗闇で覆い尽くした。高圧送電線の鉄塔倒壊などで北電室蘭管内の停電は5万5千戸(午後4時)にまで拡大。室蘭は28日午前5時すぎから順次復旧している。登別は全世帯の8割超で停電が続いている。27日夕方から各所で信号機は点灯せず大渋滞。室蘭、登別両市は避難所を開設、計243人が身を寄せた。登別温泉へのアクセスが約1時間不可能になり孤立、各ホテルは予約客への説明に追われた。
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室蘭地方気象台によると、二つの低気圧が暴風雪を引き起こした。発達した低気圧の通過に続き、寒気を伴った低気圧が通過。大気が不安定になった。最大瞬間風速は室蘭の39・7メートル(27日午前6時39分)をはじめ、計5カ所で11月の最高記録を更新。観測史上最大は5カ所に上った。
降り始めからの降雪量は、伊達大滝で38センチに到達。大岸は32センチ。登別は19センチ、室蘭は3センチだった。積雪は伊達大滝で50センチ、大岸で31センチ、登別で21センチを観測して、いずれも11月の最高記録となった。室蘭は1センチ。
白老を含む西胆振では室蘭が知利別、中島地区など1部を除き最大で約3万戸が停電。停電は28日午前4時現在、約2万4千世帯。
登別の影響が最も深刻とみられる。湿った雪による着雪で強風が重なり柏木町の高圧送電線の鉄塔が倒壊、停電は約2万1千戸。同市は市内5カ所に避難所を設置。電源車を確保するなどの対応を急いだ。自衛隊に災害派遣出動を要請した。
基幹産業の登別温泉は機能を失い大混乱した。ホテルの多くは自家発電に切り替えたが、温度調整不足や温泉水以外の水不足から入浴を制限。長期化の見通しにより、予約客に事情説明して宿泊を断ったり、宿泊客を系列ホテルに振り替える対応に追われた。
チェックアウト時間帯には、温泉街に通じる2本の道路が倒木やトラックのスリップ事故で不通になり、温泉街が約1時間孤立した。ホテルの水不足が深刻で市が給水に走った。多くの施設が水を一度ポンプアップしており停電で「貯水槽頼り」(第一滝本館)に。市は給水車を出し飲料水を配ったが、各施設で長期化への懸念が強い。
温泉入浴自体も制限する施設が相次いだ。「夢元 さぎり湯」は「熱交換ができず、換気不足から硫化水素の問題もある」としていち早く休みを決定。ほか施設も温泉水以外の水に限りがあり、中止するところが目立った。
ホテル幹部の1人は問題がどんどん深刻化する現状に「できることならクローズしたいが、情報がなく判断が難しい」と天を仰いだ。
室蘭、登別では避難所を計14カ所設置、約240人が避難所で一夜を過ごした。
交通関係も乱れた。停電により信号機が作動せず、主要交差点では警察官の手信号により車両が誘導された。道道は3カ所で通行止め。道央道は登別東IC―登別室蘭ICが通行止め。伊達IC―豊浦ICが50キロ規制。JRは道内で室蘭線を含む163本(特急35本、普通列車128本。同日午後5時現在)が運休した。
(本社政経部、社会部、中部支社)
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27日の暴風雪による被害を受け、道は室蘭市、登別市、伊達市、豊浦町、壮瞥町、洞爺湖町、白老町の胆振管内3市4町について災害救助法の適用を決定した。今後各市町村が実施する避難所の設置や炊き出し、住宅の応急修理などに要する費用について、道と国で負担する。
(北川誠)
【写真=測量山展望台からの市内の全景。発電所を持つ企業の明かりと、停電が続き漆黒が続いた蘭西地区=27日午後10時56分、室蘭市清水町から(上)、給水車から水を受け取る地域住民ら=27日午後2時20分ごろ、登別市カルルス町(下)】
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