■ 西胆振4万戸停電…室蘭で最大瞬間風速39.7m
【2012年11月27日(火)夕刊】

強風で自動車販売会社の大型看板が落ち、下敷きになった展示車両=午前10時25分ころ、室蘭市東町
 27日未明から室蘭地方は暴風雪に見舞われた。最大瞬間風速39・7メートル(11月観測史上最大タイ記録)を観測した。強風により午前3時40分ごろから室蘭、登別、伊達など3市3町でピーク時約3万9500戸が停電、同10時すぎから順次復旧が進んでいる。蘭西地区の道路では信号が停止、警察官の手信号で車両が誘導された。JRも室蘭―東室蘭間の普通列車など89本が運休。胆振管内の小中学校、高校で計69校が休校となった。室蘭市は午前10時に災害対策会議を開き、情報収集、対応を協議した。








暴風で吹き飛ばされ、電線に引っかかった民家の屋根=27日午前8時40分ごろ、室蘭市栄町


◆―― 胆振の69小中学校が休校

 室蘭地方気象台によると、発達した低気圧の影響で、室蘭は午前4時半ごろから暴風雪に見舞われた。同気象台管内では、室

蘭の最大瞬間風速39・7メートルが最高。浦河で同38・6メートル、えりも岬では同42・1メートルを記録した。

 強風の影響は室蘭市内全域に広がり、市消防本部によると、市内各地で民家の屋根が吹き飛ばされたり、物置が倒れるなど計200件以上の被害が発生。風にあおられて転倒、数人が市内の病院に搬送された。

 北海道電力室蘭支店によると、同支店管内の室蘭、登別、伊達の3市と白老、洞爺湖、壮瞥の3町で3万9千戸以上が停電。同10時半すぎから室蘭市内も復旧したが、同11時現在で2万8千戸がまだ停電状態。

 停電の影響を受けてJRは、室蘭線の普通列車など計89本が運休した。蘭西地区の道路を中心に信号機がストップ。交通事故も複数発生しており、けが人が出ている模様だ。

 道南バスは荒天や道路状況の悪化などから、室蘭市内線と郊外線が、27日始発から全線で運休。高速白鳥号(室蘭―札幌)と、高速はやぶさ号(室蘭―新千歳空港)の都市間高速バスは、通常通り運行している。停電による各所での信号機停止の影響などから、27日午前10時40分現在、室蘭市内線や郊外線については、運行再開のめどは立っていないという。
(本社政経、社会部)

停電で停止した信号。周囲では渋滞が発生した=27日、7時50分ごろ、室蘭市中央町(写真の一部を加工しています)
◆―― 市立病院など休診

 室蘭市新富町の日鋼記念病院では外来診療を一時中止したほか、入院患者については非常電源装置による電力で対応中。午前中、病院に訪れる外来患者は、交通まひの影響で普段より少ない状況。昼ごろから外来診療を再開させている。

 山手町の市立室蘭総合病院も外来診療は一時的に中止したが昼には復旧。入院患者については同じく非常電源装置による電力で対応。また、災害対策本部(本部長・東海林哲郎院長)を設置。復旧に向けた情報の収集に当たっている。

 室蘭市によると、市道への倒木や屋根のはく離など、午前9時15分時点で50件の通報があった。さらに市内六つの公園で倒木などの被害を確認。青山剛市長は「市民の安全を第一に復旧に向けて対応していただきたい」と職員に訓示した。

 室蘭信用金庫は室蘭市内の一部支店で停電のため、営業を見合わせた。電力が復旧次第、通常営業に戻る。

 同気象台によると27日午前中いっぱいは暴風雪に見舞われ、雪は夕方に落ち着く見通し。

【写真=強風で自動車販売会社の大型看板が落ち、下敷きになった展示車両=午前10時25分ころ、室蘭市東町、暴風で吹き飛ばされ、電線に引っかかった民家の屋根=27日午前8時40分ごろ、室蘭市栄町、停電で停止した信号。周囲では渋滞が発生した=27日、7時50分ごろ、室蘭市中央町(写真の一部を加工しています)(写真上から)】




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