名古屋・瑞穂区の難病女児 京ちゃん夢かなった
市立小の普通学級に進学
全身の筋肉が衰えていく難病のため、人工呼吸器無しでは生きられない名古屋市瑞穂区の林京香ちゃん(6つ)が、市立小学校の普通学級に進学することが27日決まった。おしゃれが大好きという「京ちゃん」はランドセルにいっぱいの希望を詰めて、この春、1年生になる。
地元の小学校から両親へ27日午前、入学を認め、就学通知書を発送するとの電話連絡が入った。
京ちゃんは生後8カ月で脊髄(せきずい)性筋萎縮症と診断され、24時間、人工呼吸器を装着している。声もほとんど出せず、目や指で意思を伝える。
「良かったね」。母有香さん(36)が語り掛けると、口元を少しだけ上げてほほ笑んだ。
有香さんと夫の智宏さん(36)は昨年9月、京ちゃんを連れて、河村たかし市長に地元小学校で学べるよう支援を申し入れていた。
昨年7月に成立した改正障害者基本法は、国や自治体に対し、可能な限り、障害児と健常児が共に学べるよう配慮することを求めている。しかし「子供の勉強の邪魔になる」などと健常児の保護者から不満が出るケースもあり、ほとんどの自治体が二の足を踏んでいるのが実情だ。
名古屋市教育委員会は改正法を踏まえて、大阪府など先進自治体の事例や、小学校の設備状況を検証し、受け入れ可能と判断した。市内で人工呼吸器を使う児童が一般の小学校に進むのは初めて。
入学に伴い、スロープの増設など校内を一部改修する。たんの吸引など医療的ケアが必要なため、看護資格を持つ人員も配置する方針。市教委は今後、同様の申し入れがあった場合、個別に検討するとしている。
京ちゃんは入学を信じて最近、茶色に赤いステッチの入ったランドセルを注文した。有香さんは「買ってあげることができて本当にうれしい。支えてくれたすべての人に感謝したい」と話す。智宏さんは「京ちゃんだけでなく、障害児の選択肢が広がるきっかけになってほしい」と期待する。
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