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企画特集

【岐論】

FC岐阜 生き残るには

2012年11月24日

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岐阜経済大の大野貴司准教授

◆若者取り込み 地域活動にも工夫を…岐阜経済大准教授 大野貴司氏

■FC岐阜が慢性的な資金不足に悩んでいます
 「正統性のマネジメント」という考え方がある。資金を出してもらうために、なぜそこにクラブがあり、地域や企業にどんなメリットがあるのか、説得力を持って訴えなければいけない。その発信が足りない気がする。

■地域や企業に魅力的なJリーグのクラブはあるでしょうか
 J1で7度優勝している鹿島は、地元の住友金属工業(現・新日鉄住金)の社員にとって誇りを持って働く原動力になる。観客数がJリーグ一の浦和は、大きな広告効果を企業に説明できる。

■FC岐阜にそのような魅力があるでしょうか
 クラブの歴史が浅いので、これからつくる必要がある。岐阜のスタッフがどういうクラブのあり方を望むのか。企業がクラブに何を求めるのかというのもある。その相互作用で「正統性」をつくっていかなければならない。

■今年の調査では、岐阜の試合に来る若者が少ないという結果が出ています
 30歳未満の観客は全体の約25%。授業で150人ほどの学生に聞いたら、岐阜のサポーターは1人だけだった。

■若者に足を運んでもらう策はあるでしょうか
 今は、若者とクラブの接点が少ない。クラブと大学が連携し、学生にスタジアムでボランティアをさせるのも一案だ。何人かはもう一度観戦に行くはずだ。

■サッカーと野球のプロチームがある名古屋の存在が影響しているのでは
 今は難しいが、将来的には共存するのが理想だ。調査では、岐阜の試合の観客の約5%がJ1の名古屋グランパスのファンだった。名古屋のブランド力を使い、岐阜にも目を向けてもらえるかもしれない。

■岐阜は地域貢献活動数が多いことで有名です
 数は立派だが、やり方の工夫や活動の濃淡をつける必要がある。岐阜と大垣を中心とした活動がいいのではないか。この2地域だけで、スタジアムに1万人を集める潜在力はある。
 いかに地元に密着するのかも重要だ。J1のガンバ大阪のスタッフが「地域貢献担当のスタッフは、地元の人たちに名前を覚えてもらうぐらいでないとだめだ」と話していた。岐阜も子どもたちを集めてサッカー教室を開くだけでなく、スタッフが一軒ずつ地道に回り、店先にポスターを貼ってもらうようなことをする必要がある。

■岐阜の場合、活動がなかなか集客に結びついていません
 J1川崎の担当者は、地域の人に、受け身でなく主体的に関わってもらうのが良いと話していた。川崎は、小学校の計算ドリルの問題に選手を登場させ、子どもたちがクラブに愛着がわくようにしている。(聞き手・田嶋慶彦)

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