スクープ 丹羽宇一郎前駐中国大使送別会の問題発言をすべて書く 「中国の領海侵犯は仕方ない」「尖閣が領土問題ではないなんて、世界の笑いもの」

2012年11月28日(水) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 送別会では、丹羽大使の大好きな熱燗や、刺身、湯豆腐、焼き鳥などが、次々と運ばれた。任期中はむっとしていることが多かった丹羽大使も、この日ばかりは上機嫌で、熱燗をぐいぐいと呷ったという。

そこまで中国の肩を持つのか

 そして夜8時過ぎ、宴もたけなわとなったところで、花束贈呈と丹羽大使の締めの挨拶となった。ゆっくりと立ち上がった丹羽大使に花束が贈られる。その後、丹羽大使はホロ酔い加減で、日中関係についての所感を述べた。

「日中関係の局面は、ここ最近で大きく変わった。これ以上中国との関係が悪くなったら、40年前の国交正常化前に戻ってしまう。そんな中で北京を離れるのは、正直言って心残りだ」

 最初はこのように全体的な所感を述べていたが、まもなく離任という安心感もあってか、発言内容は次第に過激になっていったのだ。

「だいたい日本政府は、『尖閣諸島について領土問題は存在しない』なんて言ってるだろう。いまどき『領土問題がない』なんて言ったら、世界中の笑いものだよ。こんな主張は、パンツを穿いてないのに、自分だけパンツを穿いてると主張しているようなものじゃないか。外国から見れば、日本がオチンチン丸出しで騒いでいるようなものなんだよ。つまり日本は裸の王様だ。こんな主張は、早く止めるべきだ!」

 冒頭にも一部を紹介した、この突然の「尖閣パンツ発言」や「オチンチン丸出し発言」に、会場は凍りついたという。ややあって、大使の近くにいた人物が、「大使、今日はカメラが回っています」と注意を促した。すると丹羽大使は、激昂して言った。

「だから何だというんだ。これはオンでいいんだよ。放映したらいいじゃないか!」

 この後も、さらに丹羽大使の〝問題発言〟は続いた。

「いま中国からの監視船などが、毎日毎日、日本の領海や経済水域に入って来ているだろう。あれは中国からの挨拶なのであって仕方ないんだよ。向こうにも向こうの立場があるんだから。われわれは中国の立場を考えてやらなければならないんだよ」

 別の北京特派員記者が続ける。

「実は宴会場のひとつ上の階では日本人学校の父兄会をやっていて、部屋が吹き抜けのため、大使の声は父兄や小学生の子供たちにも筒抜けでした。それなのに大使が『パンツ』だの『オチンチン』だのと大声で語ったのですから、父兄たちはいったいどうやって自分の子供たちに釈明したのだろうと心配になりました」

 別の参加者も、怒り心頭で語る。

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