予想が外れて全く逮捕者が出せなくなった著作権法改悪による違法ダウンロード罰則化と、予想通りに全く伸びない音楽等の販売。このまま有名無実化すればそれはそれでいいかと思っていますが、先行して違法ダウンロードに罰則がつけられているフィンランドで起こった事件がITmediaに掲載されていましたので取り上げてみましょう。
違法ダウンロードの示談金拒否で9歳女児のPC押収──フィンランドで
フィンランドで違法ダウンロードに対する監視などを一手に引き受けている管理団体、CIAPC(PCのCIAという意味でしょうか)が男性に「違法ダウンロードをした」として示談金を要求したところその男性は身に覚えがなかったので拒否したところ、押しかけた警察にPCを押収されてしまう。実は男性の9歳になる娘が自分のPCで楽曲を落としていたことがあった、というオチでした。
問題はこの一文、
"フィンランドの法律では、著作権を侵害していると知りながら違法なコンテンツをダウンロードすることは違法であり"
日本の著作権法と同じく"知りながら"ダウンロード"しなければ違法とはならないということなのです。男性は少なくともダウンロードされた事実自体知りませんでしたし、9歳の子供にそこまでの判断能力を求めるのは難しいでしょう。つまり、"知りながら"の部分がこの事件に関しては全く考慮に入っていなかったということになります。おそらくフィンランドでも、警察や検察が「見逃し」判断をができるようにするための"知りながら"の一文なんでしょう。
見れば見るほどこのCIAPCという組織は怖いところです。法律の定義を無視するばかりか、示談金を要求したときに秘密保持誓約書への署名まで求めています。特定に会社ではなく、共同で製作した団体だからこそこのような暴力にも等しい行為が平気で行えるのでしょう。これが未来の日本の姿にならなければよいと、強く願います。
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