2012-07-31 13:34:00

民主党、長崎県知事の「陳情拒否」 政権批判と選挙戦の「遺恨」が原因か

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民主党、長崎県知事の「陳情拒否」 政権批判と選挙戦の「遺恨」が原因か
http://www.j-cast.com/2012/05/24133250.html?p=all
(J-CAST 2012/5/24 18:20)
 
毎年夏の概算要求シーズンに向けて、全国の地方自治体が陳情団を霞ヶ関に派遣する。だが、長崎県は、突然の陳情中止に追い込まれるという異例の事態に陥っている。中村法道知事が与党を批判するスピーチをしたことで、省庁への陳情を取り次ぐ民主党を怒らせてしまったからだ。中村知事は自民党などの支持を受けて当選したという経緯があり、選挙戦では民主党幹部が恫喝ともとれる発言をしたこともある。この時の関係が尾を引いている可能性もある。
 
 
◇陳情を民主党経由に一本化して「政治主導」演出

自民党政権時代は、都道府県の知事などが上京し、国会議員や省庁に直接要望していた。09年夏の政権交代以降、ルールが一変。陳情を民主党の地元県連の仲介を受けた上で党本部に一元化し、各省庁に取り次ぐことになった。「政治主導」を演出するためだ。

長崎県も、中村知事が5月24日から25日にかけて上京する予定だったが、21日夕方になって、県連が党本部と協議した結果として「今回は受けられない」などと県に伝えてきたという。09年以降の「民主党ルール」のため、県連が仲介を拒否したことで県が省庁に陳情ができないという事態になっている。

民主党が問題視したのが、5月13日に自民党県連の定期大会で行ったスピーチ。中村知事は、原発の再稼働問題への対応について

「今の政権与党が、こうした山積する課題に対応する能力が本当にあるのか疑問を禁じ得ない」

と述べ、民主党の政権担当能力を疑問視。その上で、自民党が長年政権党を担当してきたことから、

「自民党への国民の期待が高まる」

と、自民党を持ち上げた


民主党県連では、九州新幹線長崎ルートや長崎自動車道の4車線化など、政権交代後に民主党政権が実現した功績があると主張しており、知事発言を腹に据えかねたようだ。
 
 
◇陳情拒否で「重大な責任を痛感」

中村知事は、5月22日に県庁で臨時会見を開き、

「重大な責任を痛感している。県民の皆さんに深くお詫び申し上げる」

として陳謝。5月23日に開会した県議会でも、

「今回、このような結果になったことは誠に遺憾であり、県議会ならびに県民の皆様に心からお詫び申し上げる」

と平謝りだった。また、

「本要望内容については、引き続き関係の皆様のご理解とご協力を得られるよう、努力していきたい」

と、陳情への努力は続けていく構えだ。
 
 
◇自民系候補当選すれば「長崎に対して『それなりの姿勢』」

なお、中村知事は10年2月の知事選で初当選している。自民・公明などの支援を受けた中村氏が、民主・社民・国民新の与党3党(当時)の推薦を受けた元農水官僚の橋本剛候補を大差で破った。

今回の陳情拒否は、この時の「遺恨」が背景にあるのではないかという見方もある。例えば、石井一選対委員長(当時)が10年1月29日に島原市内で行った橋本候補の総決起集会で、

「そういう(中村知事に票を投じるという)選択を長崎の方がされるのなら、民主党政権は、長崎に対して『それなりの姿勢』を示していくだろうと私は思う」

と発言。「それが政治」だとも付け加えた


地元の長崎新聞は、県知事選開票直後の10年2月25日に掲載した論説で

「本県有権者が民主党候補を知事に当選させなければ、政権党の力を使って県民全体に不利益を与えると脅した、まぎれもない恫喝発言である。われわれは、断じてこれを許さない」

と、石井氏の発言を激しく批判したが、この懸念が図らずも現実化しかねない形だ。
 
 
■石井一議員の選挙演説  有権者への恫喝は許さない
http://www.nagasaki-np.co.jp/press/ronsetu/10/012.shtml
(長崎新聞 2010年2月25日)
 
 本県知事選は、自民、公明両党の応援を受けた前副知事、中村法道氏が、民主など与党3党推薦の候補に大差をつけて当選した。
 
 今回の選挙は、政権交代後、九州初の知事選であり、「政治とカネ」の問題で民主党に逆風が吹く中で行われたことから、夏の参院選の行方を占う選挙として全国の注目を集めた。このため選挙戦は、民主、自民双方の国会議員が続々と本県入りして支持拡大を図るという激しい展開を見せた。
 
 政党政治である以上、各政党が全力を尽くして有権者に支持を訴えるのは当然のことだ。だが、どんなに激しい選挙戦であっても、それはあくまで民主主義のルールに基づいたものでなければならない。
 
 残念ながら今回の選挙戦の過程で、1人の有力政治家に、そうしたルールを忘れた言動がみられた。その政治家が政権与党の選挙対策委員長という要職にあり、日本の政治に大きな影響力を持つ人物であれば、民主主義の根幹を揺るがしかねないその言動を見過ごすことは決してできない。
 
 問題発言をしたのは、民主党選挙対策委員長の石井一参院議員。石井氏は1月29日の民主党推薦知事候補の総決起集会で、同候補が落選したケースに言及し、「時代に逆行するような選択を長崎の方がされるのであれば、民主党政権は長崎に対し、それなりの姿勢を示すべきだろうと私は思います」と述べ、「それが政治である」と付け加えた。
 
 本県有権者が民主党候補を知事に当選させなければ、政権党の力を使って県民全体に不利益を与えると脅した、まぎれもない恫喝(どうかつ)発言である。われわれは、断じてこれを許さない

 
 有権者には憲法で保障された投票の自由がある。政党が有権者に対して、特定候補に投票しなかった場合には報復措置を取ると示唆して脅すのは、この権利を踏みにじる行為だ。民主主義を否定する暴言を吐いた石井氏の政治家としての資質を問わねばなるまい。
 
 民主党は知事選で、小沢一郎幹事長が「(民主候補を知事に選べば)高速道路を造ることもできる」と述べるなど、大臣や党幹部が露骨な利益誘導発言を連発した。それは、かつての自民党の利益誘導政治と何ら変わらないという点で、国民の政権交代への期待を裏切るものだった。石井氏の発言も利益誘導路線の延長上にあると考えられるが、有権者への恫喝にまで発展すれば、これはもう、利益誘導とは次元の異なる悪質な暴言と言うしかない
 
 本県有権者の価値観は多様で、支持する政党も、誰に投票するかも、人それぞれだ。それでも、われわれは選挙結果を粛々と受け入れ、みんなで尊重していく。それが民主主義だ。これからも、与えられた1票を大切に行使しながら、この長崎の地で、民主主義を守り、より良い政治を実現すべく地道な努力を続ける決意である。それが、有権者恫喝発言を行った石井氏に対する、われわれ長崎県民の答えだ。(高橋信雄)

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