中国:政府のチベット政策に抗議 3人が焼身自殺で死亡
毎日新聞 2012年11月27日 18時54分(最終更新 11月27日 23時09分)
【上海・隅俊之】中国青海(せいかい)省や甘粛(かんしゅく)省などのチベット族自治州で25日から26日にかけ、チベット族4人が中国政府のチベット政策に抗議して焼身自殺を図り、3人の死亡が確認された。米政府系の自由アジア放送(RFA)などが伝えた。中国当局は11月上旬開幕の共産党大会に合わせてチベット族への締め付けを強化したが、逆に当局側との衝突も相次いでおり、党大会の閉幕後も緊張が高まっている。
青海省黄南チベット族自治州沢庫(たくこ)県では25日、17歳の尼僧が焼身自殺。26日には甘粛省甘南チベット族自治州夏河(かか)県と碌曲(ろくきょく)県で2人が、四川省カンゼ・チベット族自治州色達(しょくたつ)県でも1人が焼身自殺を図った。チベット族の焼身自殺が相次ぐようになった昨年以降、焼身自殺を図ったのは86人に上る。
青海省海南チベット族自治州共和県では26日、地元の共産党委員会が「チベット語の学習は妥当性を欠き、焼身自殺も愚かな行為だ」などとする冊子を学校で配ったことに反発し、学生約1000人がデモ行進。治安部隊が鎮圧に乗り出し、20人以上が負傷する事態になった。