特集ワイド:第三極 「信頼できる政策提示なければ、単なる選挙互助会」 右傾化し支持集め、「脱原発」勢力結集も
毎日新聞 2012年11月27日 東京夕刊
社民党の福島瑞穂党首は「民主党は次の政権は民・自・公でやろうと思い、橋下さんも野党でやるつもりはないと政権に入るでしょう。そう考えると、実は民自公と維新は『第一極』。政権を取ったら原発を推進し憲法を改正しようとしますよ。『ごーまんかましてよかですか』みたいな国民不在の政治」。開口一番こう批判した。福島氏が「本当の対立軸」として掲げるのが「脱原発」だ。「菅直人前首相や国民の生活が第一の小沢一郎代表らと話ができるのが私たちの強み。政党の合流のようなガチガチなものではなく、脱原発を軸に緩やかなネットワークを広げたい」
ここに来て滋賀県の嘉田由紀子知事が「脱原発」を掲げる新党の結成を目指すという新たな動きもある。「脱原発は第三極の軸になる可能性があります」と野中教授。
ノンフィクション作家の塩田潮氏は「消費税増税反対派を切るなど純化路線を進める民主党も、実は選挙後、結果的に『第三極』になる可能性がある」としたうえで、こう語る。「第三極は選挙後に政権に入る可能性があるので、政策の違いはもちろん、連立の枠組みや首相候補まで提示すべきです。有権者の側も既成政党不信から第三極を選ぶのではなく、自らの目で正体を見極めてほしいですね」
「第三極」の結集が2大政党を補完し、有権者の選択肢が増える……ということにはなりそうもない。
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