大津・中2自殺:越市長、児童と再発防止語る 「命の取り組み」初視察 /滋賀
毎日新聞 2012年11月23日 地方版
大津市の越直美市長は22日、同市馬場1の市立平野小を訪問し、いじめ防止策について6年生の代表と語り合った。昨年10月の市立中学2年男子生徒の自殺から1年を機に各校が始めた「命の取り組み」の初視察の一環。いじめ予防の提言を盛り込んだ寸劇も見学し、自殺の再発防止を子どもたちに誓った。
越市長は午前8時45分から児童1115人の全校集会に出席。5年生が舞台で校内での日常を演じ、「けんかはいいけど、1人をたくさんでいじめるのは卑怯(ひきょう)だ」などと呼びかける寸劇を見学した。
続いて、6年生男女10人と校長室で懇談。いじめられた時に相談しやすい人を越市長が尋ねると、児童たちは教師について「先生に話したらチクったと言われる」、親については「親同士の問題になると面倒」「心配し過ぎるから困る」などと話し、複雑な心境をのぞかせた。「(秘密が守られるように)1人ずつ定期的に先生と相談できたら」とアイデアを出す児童もいた。
越市長もいじめを受けた経験を語り、「私も自分が弱く恥ずかしい気がして親にも先生にも言わなかった。みんなの気持ちはよく分かる」と応じた。懇談後は「生の声を聞けて良かった。子どもが相談しやすい環境作りに反映させたい」と話した。【千葉紀和】