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選挙公約
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Ⅰ 増税の前にやるべきことがある!
- -まず国会議員や官僚が身を切るべきだ-
- 「国民の手に政治を奪還する」とは、まず、政治家や官僚の利権・既得権益に食いつぶされている国民の貴重な税金を、本来の持ち主である国民の手に取り戻すということだ。
民主党は、昨年夏の総選挙で、我々と一見類似した公約を掲げたが、実際に政権をとってからは官僚に取り込まれ、公務員労組の言いなりになった。たとえば「天下り根絶」どころか、それに逆行するような人事を行ったし、約束した「国家公務員人件費2割削減」は、給料カットや人員減を可能とする法整備を先送りして、まったくできていない。加えて、民主党政権が国会に提出した公務員制度改革法案は、自民党政権時代の案より大幅に後退したものとなった。
「官僚主導から政治主導」の掛け声とは裏腹に、民主党政権の実態は、あるときは財務省依存であり、またあるときは、普天間問題に象徴されるように「危うい政治主導」「間違った政治主導」を露呈した。いずれも、みんなの党が主張する「正しい政治主導」の方策をとらなかった代償だ。
税金の無駄遣いの解消も、「事業仕分け」のパフォーマンスを演じた以外は、具体的な道筋すら見い出せていない。一般会計、特別会計あわせて207兆円の予算を組み替えて、20兆円 程度の財源を捻出するという約束もまったく果たせていない。そのような状況で、財務省が主導する「消費税増税」路線に舵を切ってしまったのが菅内閣だ。
我々「みんなの党」は、「増税の前にやるべきことがあるだろう」「国民に負担を求める前に、まずは国会議員や官僚が身を切るべきだ」との国民の声に真摯に応えていく決意である。民主党のように口先だけで唱えるのではなく、政権内にいた経験と人脈を活かし、それを実現するための具体策と覚悟を持っている。
世界一の少子高齢社会の日本で、将来的な増税を一切認めないという立場は、我々もとらない。しかし、その前に、首相をはじめとした政治家が先頭にたって、議員や公務員の削減・給与カット、天下りの禁止や「埋蔵金」の発掘、予算のゼロベースでの見直しや議員特権の廃止に取り組むべきである。
政治には、こうしたプロセス、国民に理解を求める不断の努力が必要不可欠と考える。「みんなの党」はそれを断行する。
「小さな政府」(スリムな政府)に
1.国と地方の公務員人件費削減を実現する(公務員の数を削減、給与をカット)
- 国家公務員を10万人削減(道州制導入と地方出先機関の廃止など。現在31万人)。
- 給与法の抜本改正により「年功序列賃金」を見直し。給与カットを可能に。
- 公務員に原則、労働基本権を与え、代わりに身分保障をはずし民間並みのリストラを実施。
- 公務員給与を2割カット、ボーナスを3割カット。幹部職員は即時実施。
- 公務員組合のヤミ協定、ヤミ専従等を根絶。違反者は即免職。刑事罰や個人賠償も導入。
- 公務員の退職金・年金の二重払いを差し止め。
- 地方公務員も、民間並みの給与水準、リストラを実施できる制度に改め、地方自治体主導の人件費削減を後押し。
- 以上により、国と地方の公務員の総人件費を2割以上カット。
2.民主党政権が断念した「天下り根絶」を断行する
- 民主党政権で作られた抜け道をふさぎ、真に天下りを根絶。「政務三役によるあっせん」も禁止。裏下り(「OBのあっせん」等と称する天下りあっせん)には刑事罰を導入。
- 人材バンク(官民人材交流センター)を時限的に廃止。
- 「早期勧奨退職慣行」を撤廃し、定年まで働ける(その代わり、給与の大幅ダウンもある)人事制度を確立。民主党政権が進める「天下りに代わるポスト創設」(高齢職員を処遇するための窓際ポストの創設、独立行政法人などへの現役出向拡大)は認めない。
- 天下り官僚OBへの更なる退職金払いの差し止め。
3.「郵政再国営化」を許さず「郵政民営化」を進める
- 鳩山内閣以前の郵政民営化の基本的骨格を維持する。鳩山内閣で成立した「株式売却凍結法」は廃止。菅内閣が早期成立を約束している「郵政再国営化法案」(株式の政府保有、郵貯・簡保の受入れ限度額拡大)には反対。
- 郵政民営化のメリットを国民に実感してもらうためにも、300兆円にものぼる郵貯・簡保資金を民間市場に流す仕組みや、早期の上場、株式売却益の計上に向けて作業を促進。
4.「官から民へ」を前進させ、独立行政法人の廃止・民営化等を実行する
- 天下りの温床となっている独立行政法人は原則廃止または民営化。民主党政権のように、廃止と称して準国営化するような「民から官へ」の逆行は認めない。
- 政策投資銀行、商工中金は、経済危機克服後、完全民営化。公的金融機能は、日本政策金融公庫に一元化。経営陣はすべて金融のプロとし、天下りは排除。
- 公益法人の必要性をゼロベースで見直し。
- 天下り先での談合防止のため「官製談合防止法」を強化(官僚OBへの適用対象の拡大等)。公正取引委員会の官製談合に係る権限を強化。
- 随意契約・指名競争入札の一般競争入札への原則転換。やむを得ず行う場合、その理由、契約相手方における天下りの実態等の情報公開を義務づけ。
5.「内閣予算局」で予算をゼロベースで見直し、「埋蔵金」(30兆円)を1円残らず発掘する(後掲)
- 「内閣予算局」(後掲)で、予算(一般会計+特別会計=約200兆円)を抜本的に組み替え。
- 特別会計、独立行政法人の資産・負債差額を徹底精査。
- 国有財産や政府株を売却。
- 政府の金融資産500兆円の3分の2を証券化。
6.上記の行財政改革を早急に実現するため、官邸に「霞が関改革会議」を設置する。
首相のリーダーシップで、政府全体の行財政改革を省庁横断的に行うため、官邸に首相を議長とする「霞が関改革会議」を置き、専任の大臣が担当。
国会議員が自ら身を切る
1.国会議員の数を大幅削減し、給与をカットする
- 衆議院議員は300人(180減)、参議院議員は100人(142減)に。参議院には都道府県知事など地方を代表する議席枠を創設。将来的には憲法改正時に衆参統合による一院制を実現。
- 国会議員給与を3割、ボーナスを5割カットを即時実施。
2.議員特権を廃止する
- 無料パス(JR、民営鉄道、バス)、無料航空券を廃止。
- 衆参議員宿舎を売却。
- 議員年金を完全廃止(現行は在職10年超の議員には選択制で年金を存続)。
3.政治家個人への企業・団体献金(政治腐敗の元凶)を即時全面禁止する
- 政党支部や政治団体を通じた政治家個人への企業・団体献金を即時全面禁止(税金で政党助成金を導入した時の国民との約束を履行)。
- 政党本部(政治資金団体を含む。)への企業・団体献金は一年以内に禁止。
- 個人献金を促進するため、小口献金を中心に全額所得税額控除制度を設けるとともに、インターネットを活用したクレジットカードによる「ワンクリック献金」を推進。
4.政党の民主的運営や透明性を確保する
上記目的を達成するため「政党法」を制定し、政党助成金などの上場企業並みの情報公開、候補者選定における公募や予備選挙などを義務づけ。
正しい政治主導を確立し、国民が主役の政治にする
1.国民の代表者たる首相を司令塔に政治主導で国家戦略を策定する
- 官邸に首相を議長とする「国家戦略会議」を設置(「経済財政諮問会議」は廃止)。首相直属の「国家戦略局」で国家経営の基本政策を策定。(民主党政権の「ニセ政治主導確立法案」には、戦略局を首相直属としない、政治家の登用が制限されるなどの欠陥があり反対。)
- 官邸に国家戦略スタッフやポリティカルアポインティー(政治任用)として政治家、民間人等を100人以上登用。
- 与党と内閣の要職を兼務させ、内閣(国家)の意思決定過程を一元化。
2.内閣人事局(官邸)が幹部人事を掌握し、総合職を一括採用する
- 政治主導確立のため幹部(部長、審議官以上)人事を首相や官房長官が一元管理。人事院、総務省、財務省の関連する機能を移管して、強力な人事機能を実現(民主党政権の「人事局骨抜き法案」には反対。)
- 人事局のトップは民間人(外部人材)とし、人事エキスパートを多数登用。
- 総合職の一括採用等で「オールジャパン」の意識を持った官僚を養成(縦割り行政の排除)。
- 幹部官僚はいったん退職。特別職として時限採用し、時の内閣の政策を忠実に遂行。
- 政務三役や幹部官僚の政策失敗に関する責任追及の仕組みを構築。
3.内閣予算局(官邸)が予算編成権(カネ)を掌握する
- 財務省から予算査定、財政投融資、税制企画立案業務等を分離し、官邸に「内閣予算局」を置き、政治主導の予算編成を実施。予算をゼロベースで見直し。
- 日本年金機構の徴収部門を国税庁と統合し「歳入庁」を設置。税と社会保険料の徴収率向上と人員減の一石二鳥を実現。
4.政治主導の枠組みを確立する
- 大臣が、副大臣、政務官、補佐スタッフ等を直接任命し、「大臣チーム」として省庁を運営。
- 国会議員のスタッフ機能を拡充し、立法・政策立案能力を強化(財源は議員定数削減の一部を充当)。
- 「政」と「官」の接触(官僚による根回し、政治家からの個別案件要請など)の厳格なルール化。
- 国会に日本版GAO(米国会計検査院)を創設(将来的には憲法改正時に会計検査院を移行)。第三者の立場から徹底的に行政のムダ遣いを監査。
5.行政を情報公開で「ガラス張り」にする
- 政治・行政の透明化を図り、国民の信頼を回復するため、官邸に「情報公開局」を設置し、政治・行政を「ガラス張り」に。自民党政権下の意図的に秘匿された情報や「隠し財源」などを明らかに。
- 国の会計に複式簿記などの企業会計手法を導入し、行政評価と連動させる等公会計制度改革を推進。
Ⅱ 世界標準の経済政策を遂行し、生活を豊かにする!
- ―名目4%以上の成長で10年間で所得を5割アップ―
- 政治家や官僚が食いつぶしている税金を国民の手に取り戻し、そのお金を国民の生活、すなわち、医療や介護、年金、子育て支援等に充てる。我々「みんなの党」は、そういった「生活重視」の「当たり前の政治」を実現したいと考えている。
今や、日本は、世界一の少子高齢社会となった。これから、社会保障等にかかるお金は莫大なものになる。加えて、この分野における政治の機能不全や数々の官僚の不祥事(「消えた年金 記録」問題など)により、国民は、その将来に大いなる不安を抱えている。
そのような中、ギリシャの財政破たんに端を発したユーロ危機で、日本経済は二番底も懸念される。
この国民の深刻な「生活不安」を払拭し、この日本という国が今後とも活力ある国であり続けるために、我々「みんなの党」は、「生活重視」を最優先に、全力で取り組んでいく決意であ る。現下の緊急課題として、デフレからの脱却を最優先に進め、我が国経済の建て直し、すなわち、景気を回復させ雇用・失業対策に万全を期していく。
菅内閣は、「増税して景気を良くする」と主張するが、世界中を見渡しても、景気対策のために増税をしている国はない。根拠なき妄想に基づく経済政策ではなく、日本の企業が世界的な 大競争の荒波に打ち勝てるだけの合理的・実効的な経済政策を遂行しなければならない。そして、経済活動が国境を越えて活発化する中で、日本を世界に開き(「日本開国宣言」)、世界標準の政策や制度改革を進めなければならない。
「みんなの党」は、以下の経済成長戦略や物価安定目標の策定などにより、10年間で所得を5割アップさせることを目標とする。
経済成長戦略で雇用を増やす
1.未来を切り拓く「経済成長戦略」を遂行する
- 年率4%以上の名目成長により、10年間で所得を5割アップさせることを目標とする。
- 日本の国際化を進める(「日本開国宣言」)。世界標準の合理的な経済政策を進め、閉鎖的な規制や制度は改革する。また、英語教育の抜本強化(後述)とともに、行政機関からの情報発信を全てバイリンガル化する。
- 産業構造を従来型から高付加価値型へ転換。ヒト、モノといった生産要素を、予算、税制などでバイオ、エレクトロニクス、新素材、環境、エネルギー等の将来成長分野へシフト。
- 一方で、地域密着型(地場)産業(医療・介護、福祉、子育て、家事支援、教育、農業等)を規制改革、税制などで創出。また、地域を支える中小企業の活性化、競争力向上を支援するため、「中小企業憲章」及びそれに基づく「中小企業条例」を制定。
- 規制改革などにより、インターネットの利活用を促進し、インターネットによる新規ビジネスを振興する。
- グリーン・グロース(「緑の成長」=環境制約による成長)を実現。風力、太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーの利用促進、省エネ技術への投資、排出量取引市場の創設などにより、日本の温室効果ガス排出量の削減目標の達成をテコとし「緑の成長」を促進。特に電気自動車の開発に重点。
- 成長しつつある「30億人のアジア市場」を「国内市場」「内需」とする消費拡大を実現。車・電機・機械だけに頼る単純なモノづくり信仰から脱却。これまで内需型産業とされていた流通(コンビニ、専門店)、物流(宅配便)、教育(学習塾)、福祉(高齢者介護、老人ホーム)、農業、食品などの海外進出・輸出を強力に支援。同時に、医療(高度医療・高級健康診断)、大学、観光などでアジアからの顧客を誘致し、少子化のハンディキャップを克服。
- 旧来型の護送船団方式の産業政策からは脱却。安易なJAL支援も見直す。
- 新エネ導入コストの単純な消費者への転嫁は認めない。スマートグリッド導入と併せて、安い電力会社を消費者が選べる仕組みを導入する。
- 中央銀行は手段の独立性を有するが、目標は国民が決めるとの世界標準のコンセンサスに従い、物価安定目標を設定し、危機脱出後の成長軌道を確保。
- 1500兆円の個人金融資産を活用(贈与税の軽減、寄付税制の拡充など)。
- 政府の金融資産500兆円のうち3分の2を証券化し(前掲)、金融市場に新たなビジネスチャンスを創出。
- 租税特別措置(5兆円)を抜本的に見直すとともに、法人税(実効税率ベース)を現行40%から20%台に減税(赤字企業の損失繰越期間の延長、繰戻還付の拡充を含む)。
- 「全額税額控除」の導入等寄付税制の拡充などによりNPO活動等の公益活動を活性化。
- 高速道路料金については、人気取りにすぎない「高速道路無料化」や「1000円乗り放題」ではなく、持続可能な、かつ環境にも配慮した、メリハリのある料金体系(混雑区間・時は高く、その他区間・時は安くなど)を構築。天下り利権のため高価格になっているETCは民間解放して低価格化。
- カネの流れが円滑になることが経済再生に重要であり、貸金業法の金利規制及び総量規制は、施行後の動向を見極め、必要な見直しを行う。
2.格差を固定しない「頑張れば報われる」雇用・失業対策を実現する
- 原則として全ての労働者(非正規を含む)に雇用保険を適用。
- 同一労働同一待遇(賃金等)や正規・非正規社員間の流動性を確保。
- 雇用保険と生活保護の隙間を埋める新たなセーフティーネットを構築。雇用保険が切れた長期失業者、非正規労働者等を対象に職業訓練を実施。その間の生活支援手当の給付、医療保険の負担軽減策、住宅確保支援を実施。
- 民主党政権の「派遣禁止法案」は、かえって働き方の自由を損ない、雇用を奪うものであり反対。
- 景気や中小企業の経営状況を見極めながら、最低賃金を経済成長により段階的にアップ。残業割増率を先進国並みに引き上げ、サービス残業の取締りを強化(雇用拡大と子育て支援にも効果)。
- ハローワークを原則民間開放。民間の職業紹介・訓練への助成を拡充。
「生涯安心」「誰でも安心」のセーフティーネットを構築し、生活崩壊をくい止める
1.病院崩壊、老人ホーム崩壊、年金崩壊を防ぐ
(医療・介護)
- これまでの社会保障費抑制策が招いた医療崩壊を食い止めるため、医療費を対GDP比10%を超える程度まで引き上げる。(日本は2006年で対GDP比8.1%、ドイツ10.5%、フランス11%)
- 医師数をOECD平均並みの人口千人あたり3人に増やす。
- 高齢者医療制度と介護保険制度を一体的に見直し、高齢者にとって利用しやすい、新たな高齢者ケア制度を創設する。また、被用者保険と国民健康保険の段階的な統合を図る。
- 療養病床削減計画は凍結し、療養病床、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、在宅ケア、高齢者住宅などの役割を再検討し、高齢者の視点に立った総合的な高齢者福祉政策を実現する。
- 医療・介護の質の向上をめざし、良質なサービスの提供が報いられる制度を実現する。
- 介護職員の待遇を継続的に改善し、介護現場の建て直しを図る。
- 適切な規制緩和・税制改革などにより、医療・介護にイノベーションを取り入れやすい素地を作り、産業としての成長を図り、雇用を増大させる。遠隔医療や医薬品通販に関する規制を緩和する。
(年金)
- 年金記録問題を二年以内に解消
- 基礎年金部分は徴収制度を抜本改革(既出・歳入庁の設置)し、現行給付水準を維持。将来的に年金制度を一元化(誰もがどんな職業・立場でも同じ負担で同じ給付を保証)。
- 「社会保障個人口座」と「電子通帳」(後掲)で「安心の年金」。納付履歴と将来の給付額を明記。
- 年金積立金の運用は民営化。年金積立金管理運用独立行政法人は廃止。
2.「子ども手当」を地域主権の観点から抜本見直し
- 民主党政権で開始された、バラマキ重視の「子ども手当」は少子化対策という観点から抜本的に見直し、地域主権の観点から自治体の創意工夫による現物給付と現金給付を車の両輪とした政策体系に転換。
- 子育てしながら働ける環境づくり(待機児童ゼロ、保育ママ・病児・一時保育の拡充、育児休暇取得の円滑化、職場の意識改革など)。
- 幼保一元化の推進。
- 幼児医療の無償化(若年層の負担軽減)、不妊治療費の助成拡大、小児緊急医療体制の拡充や、総合的な少子化対策を実施。
- 地域の実情にあった少子化対策を行うため、中央集権的なやり方ではなく、地方自治体の裁量を大きくし、地域ごとに柔軟に対応できる仕組みに。
- 高校、専門学校、大学等の高等教育への奨学金制度の拡充(出世払い・返済不要型の活用など。)
- 以上の施策を実現するため、権限・財源・人間を地域に移譲する。
3.社会保障口座を創設し、社会保障番号を導入する
- 税金と社会保険料をあわせた「社会保障個人口座」を開設し、「社会保障電子通帳」を交付。医療・介護、年金などの負担と給付の関係を明確化。また、その個人口座を使い、個人の選択による自前のセーフティーネット構築(「お好みメニュー」)を可能に。
- これにともない、所得の捕捉を公平に行うため、税、社会保険料を通じた、共通の番号制度「社会保障番号」を導入。
- 任意拠出、相続税減免恩典付きの社会保障貯蓄口座を社会保障口座の中に開設可能とする(後掲)。
4.社会的弱者に配慮した所得再分配を強化する
低所得者層への「給付つき税額控除方式」の導入や、生活保護制度の不備・不公平、年金制度との不整合などの問題を段階的に解消し、最終的には、基礎年金や生活保護を統合した「ミニマムインカム」を創設。
引き出し(選択肢)の多い教育を実現する
1.教育は現場の市町村、学校現場に任せることを基本とし国の役割は最低限の教育水準の維持にとどめ、それぞれ地域の実情に合わせたユニークな教育をおこなう。
2.教育基本法に従って、基礎教育・公教育を充実させる
- 教育の機会均等のためにも、教育基本法に従って、公教育の建て直しを充実。
- 教員免許制は維持。
- 少人数・体験・個性重視の教育を実現。
- 手に職を持つ教育、生き抜く教育のため、芸術・文化・スポーツ・武道などを重視。
- 国際化時代にふさわしい人材を育成するためには英語力の向上が必要であり、学校教育において英語力を図る尺度として、TOEFLなどを使用する。
- 学習時間の確保と学力の向上を目指す。
- 大学入試を、上記にあわせ抜本改革。
- 教員の質と数を充実。いじめや不登校等の問題に対処するスクールカウンセラーも全校配置。
- 親の貧富で教育格差が広がらない環境整備。高校、専門学校、大学等の高等教育への奨学金制度の拡充(出世払い・返済不要型の活用など。既出)
- 公務教職員の政治活動を全面禁止。
3.学校を地域社会に開放する
学校を地域社会の核に。学校経営も保護者、住民、教育専門家などを入れた運営委員会で実施。
Ⅲ 「地域主権型道州制」の導入で格差を是正する!
- ―「3ゲン」を移譲し、消費税は地方の財源に―
- 今の日本は、官僚が全国を画一的に支配する中央集権体制となっている。地方の個性や多様性は無視され、地方は衰退していく一方である。
我々「みんなの党」は、「脱中央集権」を図り、「地域主権型道州制」を我が国の「新しい国のかたち」とする。地方を元気にするには、国民に一番身近な地域が政治の主体となり、地域住民のための政治を行うことが不可欠である。東京の霞が関で仕事をしている官僚に、地域のことはわからないし関心もないのだ。
この「新しい国のかたち」の下では、国・中央省庁が行っている仕事の多くは基礎自治体に移譲され、中央省庁は必然的に解体・再編される。また、基礎自治体の行っている仕事の一部は民間のNPOなどに委ねられる。その上で、道州は、基礎自治体では対応できないインフラ整備、災害対策等の広域行政を担う。
そのためには、3ゲン(権限・財源・人間)を徹底的に地方に移譲することが必要不可欠だ。
その点、民主党の「国のヒモ付き補助金の一括交付金化」では、相変わらず中央による地方への統制が残り、地方が真に自立することにはならない。
我々「みんなの党」は、今後7年以内に、この「地域主権型道州制」を導入し、真の地域主権を達成する。
1.地方自治体へ3ゲン(権限・財源・人間)を移譲し、地域のことは地域で決める
- 各省庁の「ひも付き補助金」(20兆円)と「地方交付税」(17兆円)を廃止し、それに見合う財源を地方自治体に移譲。
- 地方交付税の廃止にともない、国主導ではない自治体間の財政調整の仕組みを法制化。
- 国の直轄事業は段階的に縮小・廃止し、地方に移管。地方の負担金は、11年度から維持管理費負担金を廃止し、本体部分も直轄事業の地方移管などにともない廃止。
- 地方自治体が行う事務に対する国の「義務付け・枠付け」を廃止し、自主立法権、課税自主権、住民参加などを充実し地方政府を確立。
- 以上の地方分権改革の進め方については、国と地方自治体との協議(自治体からの提案権を含む。)などの法的枠組みを設け、そこで具体的に決定。首長代表者を政府が選定して協議の場を設けるのではなく、地方の側から主体的に意見を言える協議の場を設定する。
- 地方公務員制度改革も、国家公務員に準じて、地方自治体主導で推進。
2.新たな「国のかたち」=地域主権型道州制を導入し、霞が関は解体・再編する
- 7年以内に「地域主権型道州制」に移行。そのため、内閣に道州制担当専任大臣を設置し、道州制の理念、実現までの工程表、地方の代表も参加した遂行機関の設置などを明記した「道州制基本法」を11年度中に制定。
- 7年間で、道州制の確立のために、税源移譲の道筋をつける。現在国と地方の歳入比がおおよそ6:4であるが、それをそれぞれの業務に応じ最終的には2:8程度まで、逆転させることを目指す。国、州、基礎的自治体の歳入比は、2:3:5程度をめどとする。その第一歩として11年度には国と地方の税源配分5:5に。その後、順次、権限移譲に伴い地方配分比率を嵩上げ。
- 国の中央省庁の役割は、外交・安全保障、通貨、マクロ経済、社会保障のナショナルミニマムなどに限定し、大幅に縮小・再編。地方出先機関は一部(徴税、海上保安など)を除いて先行的に移管又は廃止。
- 上記にともない、消費税、法人税等の税財源、国の資産・負債を再編成。消費税は地方の基幹・安定財源とする。
3.平成の農地改革で農業を地域の基幹ビジネスにし、食糧自給率を向上させる
- 米の減反政策(生産調整)を段階的に廃止するとともに、農地転用規制(「ゾーニング」=土地利用規制の導入など)を徹底、耕作放棄地の有効活用を図る仕組みを確立。
- それに伴う米価下落の激変緩和のために、農業を継続する意欲のある者に直接支払い制度を創設。
- 米価下げによる需要(国内・輸出)拡大と、規模拡大などにより農家の収益性を向上。
- 株式会社による農地取得、農協改革等で新規参入を促進。「マーケット型農業」を育成(成功事例の集積、パターン化と応用等)。
4.地域の創意工夫で地場産業を振興する(既出)
- 積極的な規制改革、税制改正で、地域密着型産業(医療・介護、福祉、子育て・家事支援、教育、農業等)を創出。
- 地域を支える中小企業の活性化、競争力向上を支援。このため「中小企業憲章」及びそれに基づく中小企業条例を制定。
Ⅳ 激動する国際環境を踏まえた戦略的な外交を!
- ―日米同盟基軸に国民や国土はとことん守る―
- 深刻な国際経済危機、中国等新興国の台頭、北朝鮮の核・ミサイル、拉致問題等々と、日本が直面する国際環境は厳しく、かつ、大きく変貌しつつある。
こうした中で、日本は、「唯一の被爆国」という原点に立ち返って、また、「アジアの中の日本」という認識に立脚し、「核廃絶」「世界平和」に向けて、持てる力をフルに活用し、「志高い外交」で国際的に名誉ある地位を確保し、主導的役割を果たしていくべきである。
また、政治の最大の責務は、国民の生命・財産を守る、国土を守ることにある。そのためには、日米同盟を基軸にしながら、我が国への脅威、急迫不正の侵害に対しては、万全の体制で臨むべきだ。
我々「みんなの党」は、現状追認に甘んじず、日本の国益という観点から、米国をはじめとした国際社会にも言うべき事は言いながら、この激動する国際環境を踏まえて、戦略的な外交・安全保障政策を展開していきたいと考えている。
1.我が国の国民と国土は、とことん守る
- 相互信頼に基づく日米安保体制を基軸(米軍再編への協力などを含む)。
- ただし、対等な同盟関係という立場から、「思いやり予算」の見直し、沖縄の米軍基地負担軽減などの面で、米国に言うべき事は言い、求めるべきことは要求。
- 我が国の置かれた安全保障環境について国民的論議を喚起。
- 普天間問題については、民主党政権で破壊された沖縄との信頼関係醸成を一からやり直し、我が国の安全保障の確保、沖縄の基地負担軽減などの観点から、地元・米国との合意形成を行う。
- 急迫不正の侵害に対する自衛権の行使、テロやミサイル、海賊など新しい多様な脅威に対する備えには万全を期す。
2.「アジアの中の日本」を重視した外交を展開する
- 中国、韓国、アセアン、米国、豪州、インドなどを含むアジア太平洋地域内で、経済、エネルギー、環境、安全保障各分野での協力を促進。
- アジアを一つの市場とみなし、国内市場と一体化して域内経済を活性化。「サムライボンド」(「円建て債」)や円借款(タイド化)の活用による域内インフラ、物流などの整備。
- アジアの通貨防衛、為替安定を図るため、アジア版通貨基金構想を推進。
- 北朝鮮の核・ミサイル、拉致問題については、米国、中国、韓国と連携し、臨機応変に経済制裁措置を活用しながら解決。
- ASEAN統合の象徴として、ASEAN10か国によるオリンピックの共同開催を後押し。
3.地球規模の課題にも積極的な役割を果たす
- 地球環境問題、食糧危機、水不足、教育、医療・福祉、貧困撲滅などの分野で、人的・技術的・資金的に貢献(「ソフトパワー」で貢献)。そのために、ODA(政府開発援助)を戦略的に運用。
- 地球環境問題で我が国が主導的役割を果たすため、日本の温室効果ガスの削減目標を、中期(2020年)▲25%、長期(2050年)▲80%に設定(90年比)。米国はもちろん、中国、インドなどの新興国、発展途上国も参加した実効的な排出削減メカニズムを構築。
- 唯一の被爆国として「核廃絶」の先頭に立ち、「核軍縮」や「核不拡散」に主導的役割を果す。広島、長崎で世界軍縮会議を開催。
- イラク戦争などの反省に基づき、自衛隊の海外派遣については、しっかりとした原理原則を定める法律を策定。すなわち、国連等の国際的枠組みの下で、平和活動や災害救助、人道・復興支援を中心に積極的に参画。
- 国連改革によって、安全保障理事会の常任理事国入りを実現。
4.外国人参政権に反対し、新たな国家の枠組みを構築する
- 地域主権型道州制により、飛躍的に地方自治体の位置づけが高まるという観点からも、外国人参政権の付与には反対。参政権を行使するためには国籍を取得すべき。
- 憲法は、これからの新たな国のあり方にあわせて見直す必要があり(道州制の導入など)、憲法審査会を早急に始動して議論を開始する。
Ⅴ 財源はしっかり手当てする!
- ―埋蔵金は3年間で少なくとも30兆円―
- 特別会計などに眠る「利益剰余金」「積立金」などの資金、すなわち「埋蔵金」については、かつては存在さえも否定する見解があったが、我々を含む各方面からの指摘にたえきれず、結局、ここ数年間で30兆円もの「埋蔵金」を、政策経費や借金返済に使用することを認められるようになった。ただ、その使い方は、財務省をはじめとした霞が関が認めたものだけを、渋々出してきた「小出し・後出し」にすぎない。
そこで今、我々「みんなの党」は、以下に、「埋蔵金」を含む「財源論」を具体的に提示した。
もちろん、政権内にいない我々にはデータへのアクセスなどで様々な制約がある。しかし、「増税の前にやるべきことがある」。「埋蔵金」すなわち「官僚のへそくり」を、一円残らず掘り出さないと国民の納得は絶対に得られない、と「みんなの党」は考えている。増税の前に、また、借金を増やす前に、「へそくり」を使うことは当たり前のことなのだ。
政府・与党は、借金1000兆円で先進国最大というが、バランスシートのもう片方の資産を見ると700兆円もあり、これも先進国で最大である。借金が大変であれば、売れる資産を売るのも当たり前だ。資産の中には、道路などの固定資産、独立行政法人などへの貸付金など、有価証券などがあり、すぐに売却できない固定資産200兆円以外を精査して、どれだけ資産を圧縮し、債務を返済できるかどうかを検討しなければいけない。それらの資産の多くは、官僚の天下り先への資金提供になっているので、脱官僚を結党宣言とするみんなの党こそ、これらの既得権に切り込める。
1.今後3年間は「集中改革期間」(ムダ遣い解消期間)で増税はしない
- 特別会計や独立行政法人の埋蔵金(剰余金等)の発掘(20兆円)、さらには予算のゼロベースでの見直しや税金のムダ遣い一掃(天下り禁止など)、国有財産・政府株の売却、公務員人件費削減など(10兆円)で財源を捻出。
- 上記で捻出した、少なくとも30兆円の資金を「改革の果実還元」基金に一括計上し、計画的に財源として充当。
2.その後の恒久財源については要検討
- 「集中改革期間」における、税金のムダ遣い解消などの達成度を国民とともに厳しく精査の上、「生活崩壊」対応や社会保障の財源のあり方を、所得税、消費税、相続税などを含め検討。
- ガソリンの暫定税率は一般財源化に伴い撤廃した上で、「環境税」に組み替え。
- 寄付金の税額控除制度の大幅拡充により国民の浄財を活用。
3.新たな財政規律のルールを導入する
- 国の純債務残高(283兆円・07年度末)の対GDP比(55%)を、経済危機を克服した後、5年間で50%以下にすることを目標。
- 基礎的財政収支の黒字化を10年後に達成。
財源論(今後3年間)
総額 30兆円+α
1.特別会計 18兆円+α
- 外為 2兆円×3(フロー) 6兆+(α)(償還)分
- 財融 0.9兆円×3(フロー) 2.7兆円
- 労働 3兆円(ストック) 5.6兆円
2兆円(責任準備金8兆円の見直し)
0.2兆円×3(繰入れ停止) - エネルギー 節約 1兆円
- 自賠責 民営化 1兆円
- 貿易再保険 民営化 0.5兆円
- 空港 地方移管 剰余金 1兆円
2.独立行政法人 4.5兆円
(資産負債差額15兆円の30%)
3.予算の無駄遣い解消(事業仕訳) 2兆円+α(可能性大)
(事業・事務費10兆円の20%)
4.政府株売却(転換国債等の手法で売却) 2.5兆円+α
- JT 2兆円
- 道路会社 0.5兆円
- (政投銀1.3兆円・商工中金0.4兆円・郵政5兆円・空港地下鉄株0.4兆円)
5.国有財産売却 0.5兆円(独法資産は2.に計上)
6.人件費削減 国:1兆円(定員削減と給与・手当減)
(地方:4兆円)