'12/11/25
3万2724人波打つスタンド
紫のスタンドが波打った。24日、J1サンフレッチェ広島がリーグ初優勝を決めた広島ビッグアーチ(広島市安佐南区)。3万2724人が詰め掛け、満員札止めとなった。球団創立20周年で、たどり着いた頂点。見知らぬ同士が抱き合い、涙を流す姿もあった。
試合終了後、間もなく2位ベガルタ仙台の敗戦がアナウンスされた。優勝が決定した。
ハンドマイクで応援をリードした福山市の会社員河野雄哉さん(25)は「2度のJ2降格のつらさが自然とよみがえってきた。本当に最高だ」と喜んだ。
「選手が積み上げてきたものが報われた」。南区の段原小5年中胡乃愛(のあ)さん(11)は、サンフレの先制点に涙を浮かべた。
若い女性の姿も目立つ。安佐南区の県立広島大1年中島彩さん(18)は「若い森保一監督になって、チームに一体感と優しい雰囲気が出た。そこが好き」と応援歌を繰り返す。
練習拠点がある安芸高田市からはファンクラブの会員も大勢駆け付けた。三木恭子さん(65)は「マツダ時代からのファン。目の前で優勝の瞬間が見ることができた」。
優勝セレモニーでサポーターの支えに感謝した佐藤寿人選手を見つめ、尾道市の弓削商船高専3年寺岡佑太さん(18)は「僕たちのことを一番に思ってくれて感動した」と話す。
J1制覇で、12月にはクラブワールドカップに挑む。「来季も強いチームが期待できる。広島旋風を巻き起こしてほしい」とエールを送るのは安佐南区の会社員野田高志さん(33)。サポーターの胸は早くも新たな期待で膨らんでいた。
【写真説明】サンフレッチェ広島の優勝が決まり、沸き返る紫のスタンド=24日午後4時26分(撮影・山崎亮)