背景について

私が執筆した書籍『日本買収計画』より引用させていただきます。

【民主党はこの3年間、あまりにも国民を裏切ってきました。
民主党政権では、たった3年間のうちに不祥事や失言で辞任・罷免となった人たちが、大臣だけで8人います。あり得ないレベルです。もちろん、私たちの常識では、こういう人たちが大臣になっていくということだけで理解不能です。その上これらの人たちが、ほとぼりが冷めると、まるでなにもなかったように開き直り、国家の中枢運営に携わり、元大臣の肩書きで総選挙にも出馬するという現実は、多くの国民がかつて民主党を選んだことを根本的に問い直させる厳しいものです。私自身は、このような人たちが国家の運営に関わることがどうしても許せません。

最近では、私がかねてから著書などで指摘してきたように、民主党が、復興予算を震災復興以外の目的で使用してきたことが明らかになりました。増税の論理が復興予算であったことを思い出してください。増税は、民主党の利権強化のバラマキに使われることが証明されたわけです。これに対して、参院決算委員会の閉会中審査において、民主党の蓮舫・前行政刷新担当相は、「内閣が出してきた法案は被災地に限定していたが、全国で使えるようにすべきだという自民・公明との議論があり、修正協議を経た」と野党のせいにしました。根本的な論拠のすり替えです。加えて、復興予算を復興以外に使うことは国民に対する裏切りであり、強硬に進めた増税の根源的根拠であり、絶対にやってはいけないことだという意識が政権にまったくないことが問題です。震災で被害を受けた人たちへの援助を後回しにして、優先する予算の使い道など現在の日本にあるわけがありません。

さらに民主党の罪で最も大きいのは政党政治を壊してしまったことです。
政党政治とは何かまず考察します。
「政党政治という言葉は、現代民主政治をもっともよく説明する言葉である。政党政治と区別されるものとしては独裁政治や官僚政治などがあるが、これらがいずれも非民主的な政治体制においても成立しうるのに対して、政党政治は少なくとも現代においては非民主的体制とは両立しえない点で大きく異なっている」(『現代の政党と選挙』川人貞史・吉野孝・平野浩・加藤淳子著、 有斐閣・刊)となっています。この中で特に大事なのは後半の部分。「官僚政治は非民主的な政治体制においても成立しうるが、政党政治は非民主的体制とは両立しえない」というところでしょう。なんと民主党は、民主的体制の中で政権政党となり、官僚政治を実現させてしまったのです。「現代民主政治をもっともよく説明」する政党政治を、非民主的な官僚政治に売り渡してしまいました。この『現代の政党と選挙』には、「独裁者や官僚組織とは異なり、政党は国民から支持されることによって自らの政治的権力の正統性を得ているのである」ともあります。

民主党の政治的権力の正統性はいうまでもなく国民からの支持であり、国民の支持はマニフェストゆえだったはずです。そのマニフェストを放棄したということは、自らの政治的権力の正統性をも放棄したということになるわけです。民主党は、政党政治の成立条件及び正統性を同時に根幹から破壊してしまったのです。

単純な話、選挙での約束を守らないのであれば、私たちはなにを基準に投票すればいいのでしょうか?参議院で増税法案が通過したあと、野田佳彦総理は記者会見でこう述べています。要旨を紹介しましょう。
「この一体改革の意義を語る前に、二つのことから私はお詫びしないといけないと考えています。消費税を引き上げることは2009年の総選挙時のマニフェストには明記してございません。このことについては、深く国民の皆様にお詫びさせていただきたいと思います。二つ目は中小零細企業で資金繰りに苦労されている皆様、家計のやりくりで大変苦労されている皆様にも等しくご負担をお願いする、そういう法案でございます。心苦しい気持ちでいっぱいです。(後略)」
そもそも、民主党がお詫びしなければいけないのはこれだけではないはずです。彼らはマニフェストに明記していないことをやっただけでなく、逆に明記していたことはやっていないのですから、国民を二重に裏切っているのです。しかも会見では、「増収分はすべて社会保障として使うとお約束させていただきたいと思います」と言っていますが、現在通した法案は増税部分だけです。税と社会保障の一体改革というわりには、社会保障に関してはほとんど手付かずです。
政治家が絶対にやってはいけないことは約束を破ることです。それを政党単位でやったのが民主党です。ですので、民主党は論外だと言わざるを得ません。】

一方、今メディアで話題の維新の会や太陽の党など、大都市型政党については以下のように書きました。

【注意しなければならないのは、いわゆる地域政党というのは、北海道をベースとする新党大地・真民主を除いて、大都市型政党だということです。石原新党、みんなの党は東京圏、減税日本は名古屋圏、日本維新の会は大阪圏といった具合です。思い起こして欲しいのは、近年で言えば、TPP参加で代表されるように民主党並びに自民党は、大企業や大都市生活者に有利な政策を続けて来ました。大都市生活者重視の流れは、政治にマスメディアを利用したポピュリズムを導入した当然の帰結と言えます。これは、小泉政権時代の自民党が特に活用し、更に民主党はマスメディアを利用して、自民党を倒し、政権を取り、この路線を推し進めて来ました。当然のことながら、テレビを中心としたマスメディアを利用した選挙は、いわゆる大都市型の生活者に対するアピールが特に票に結びつくわけです。言うまでもなく、人口が農漁村部や地方の小都市などより桁違いに多い大都市圏住民に対するアピールが議席を保証します。これが、日本全国で最近特に顕著になってきた大都市圏と非大都市圏のあらゆる格差の元凶のひとつです。分かりやすくいえば、弱肉強食、金持ちはますます金持ちに、貧困層はますます貧困にという路線です。1%の金持ちが 99%の富を独占し、健康保険さえない貧困層が国民の15%の5000万人もいる状況を現在のアメリカに生み出した、いわゆる新自由主義の典型的な帰結でもあります。同様な状況が、近年日本でも起きつつあります。こうして考えると、東京、名古屋、大阪といった大都市をベースとした各新党は、立場こそ反民主党ですが、橋下代表らの、地方交付税廃止発言などを聞く限りでは、大都市型政党が内因的に持つ、農漁村部や地方小都市軽視、もしくは高齢者などの弱者軽視の政策リスクを決して忘れてはなりません。反民主の彼らの政策が、民主党以上に民主党的となり得るということはしっかりとウォッチしなければなりません。】

以上、近々発売予定新刊からの引用です。

北海道の政治家といえば、現在は鈴木宗男代表ですが、60年前は、苫米地英俊でした。1947年の戦後最初の衆議院選挙で自由党から当時の北海道1区から出て、衆議院議員を4期、参議院議員を1期勤めました。その間、鳩山一郎氏らと自由民主党の立党に中心的に関わっています。千歳の原野に雪が降らないということで空港を誘致したのは祖父だということです。明治の日本人らしく、清廉潔白を絵にかいたような人物で、闇米に一切手を出さず、栄養失調で国会答弁で声が出なくなったなど様々な逸話を父から幼少の時から聞かされました。日本に議会民主主義を定着させるのに人生をかけた人です。それが、現在では、自由民主党の立党の精神である議会民主主義は、密室政治、派閥政治、出来レース人事などで代表されるように、現在の自民党には地方から中央まで跡形もなくなっているということを、自民党を長年近くから見てきて痛切に感じています。自由民主党立党宣言にある、「ひたすら議会民主政治の王道」という言葉は、もはや自民党ではなく、新党大地・真民主にこそふさわしいというのが、実感です。その意味では、「新党大地・真民主・真自民」ということばが、私の新党大地への参加でますます相応しくなったのではと思っています。

TPPは農業だけでは無く、郵政、金融、保険のアメリカ化、医療サービス、公共サービスの民営化と外資化であるため反対
TPPの問題は農業だけではありません。アメリカ議会での公聴会では、TPPの本丸は、郵政と金融・銀行システムのアメリカ化、医療サービス、公共サービスの民営化と外資化であることが確認されています。TPPは日本を完全に欧米支配下に置く極めて危険な時限爆弾です。都市型政党支持の方々は、TPPは農業だけの問題だと騙されています。TPPは農漁村だけでなく、日本の都市にも大打撃を与えるということを良く理解するべきです。
泊原発地区にサーバーステーションを立地、電力を安価に提供し、国内外企業を誘致

特に米国からのサーバーセンター群の誘致です。後志地域には泊原子力発電所があります。泊のPWR方式は、福島などのBWR型に比べて次々世代のものですが、今後は原発を無くしていくのが、長期的、全国的な流れであり、私は、北海道という立地を利用してこれを逆手に取って、後志、そして、北海道全体への経済起爆剤となるプロジェクトが組めると思っています。その第一弾が、全世界からのデータセンターやサーバーセンターの誘致です。私の米国人の友人で、世界最大のデータホスティング会社の社長がいます。色々な企業や機関を顧客として、それらのデータを預かるデータセンター運営の会社です。彼の顧客には、日本のメガバンク二つや、イスラエルの住民台帳があるそうです。私も彼に聞くまでは私の銀行預金口座の残高データがアメリカの彼の会社のサーバーにあるとは知りませんでした。

これら巨大サーバーセンターが一番重要視するのが電気料金です。アメリカのここ数年の電気使用量増大分のほとんどがGoogleのサーバー数の級数的増大のせいだと言われているほどです。私の友人は、二つの水力発電所の間に彼のサーバー群を置き、アメリカは電力が自由化され、電気料金が発電所ごとに決められますから、ビッドにかけ、より安い方から電気を買っているそうです。結果、アメリカの既に安い工業用電力価格より更に安く電力を仕入れているそうです。Googleは彼の真似をして隣の敷地にデータセンターを置いているそうです。もちろん、一カ所に集中するのは有事の際のリスクがありますから、ミラーサーバーといいますが、同じ内容のデータセンターを世界の電力の安い他地域に置ける場所を探しています。もちろん最大手は私の友人の会社ですし、Googleも、大学院の後輩のカーネギーメロン博士達が20人以上幹部社員にいる会社です。もちろん、Amazonを含むその他のサーバーを大量に所有する企業群にも同様です。

私の提案は原子力発電所運転維持特例法を制定し、当分の期間、原発の存続を認める代わりに、国策的な企業群に、政府が決めた超低価格で産業用電力を提供しなければならないとするものです。例えば、関西電力ならトヨタに超低価格の電力を供給することになるでしょう。既に高電力価格がこれらの企業経営を圧迫しているだけではなく、ハイブリッドカーなどはアルミを多用し、アルミの精錬や溶接に大量の電気を使うことがボトルネックになっているからです。超低価格産業用電力はこれらの企業の国際競争力を復活させます。

泊では、対象の産業をサーバーセンターとします。後志地域に全世界からサーバーセンターを誘致します。サーバーセンターは広大な土地を必要としますから北海道が理想的です。地震のリスクが低いところも誘致の強みです。私の知識から、電力料金がアメリカのデータセンター並になれば、リスク分散のため、全世界のデータセンターが間違いなく後志にミラーサーバーを置くと断言できます。もちろん、巨大サーバー群のある地域にはハイテク産業が集まりますし、メンテナンスのための出張者達の経済波及効果だけでも巨額となると思います。GoogleやAppleなどの世界一の金持ち企業達が小樽や札幌に出先機関を置き、関連企業群と技術者達もどんどんやってくることでしょう。

また、銀行顧客データや各国の住民データを預かるとなると、データセキュリティー技術が重要となります。これは私の専門分野のひとつです。現代の世界レベルの国防の重要テーマはコンピュータネットワーク空間での攻撃に対する防御になっています。いわゆるサイバー戦争の防衛です。国防そのものの舞台が、物理空間から情報空間に移りつつあると言っても過言ではありません。政府施設のみならず、発電所、鉄道、自動車、通信網、証券取引所や銀行などのあらゆるデータが攻撃の対象になれば、物理的な被害が甚大となることが予想されます。最近の米国では、四軍のなかで、海軍がサイバー空間の防衛を担当することになり、10th Fleet (第十艦隊)と呼ばれています。この分野の米国での研究中心機関は、カーネギーメロン大学のCyLab研究所で、私はそこのフェローを兼任しています。今月頭には、カーネギーメロン大学学長が来日し、私と共に政府機関を含む関係各所と面談し、日本側もカーネギーメロンとのサイバー防衛における大型の提携に意欲を示しています。民主党政権下でのことですが、米国側は日本側の政権交代も織り込み済みですので、今後も官僚並びに大学レベルでの具体的な折衝は続けられ、もちろん、私もそのメンバーの一人として参加します。北海道に巨大データファームを誘致し、メガバンクや世界の巨大企業、各国の住民データなどを預かることになれば、サイバー攻撃に対する防衛も重要なテーマとなります。私は、カーネギーメロン大学CyLabの出先機関を小樽や札幌に設置することを提案します。これは、サイバー防衛の拠点となるばかりではなく、この分野の研究開発を行う拠点ともしていきます。

これらすべては、泊原発からの産業用電力をアメリカの産業用電力以下の価格で提供することが前提です。もちろん、全国的な法制化を働きかけますが、泊原発に関しては、モデルケースとして、早速、来年早々にも、北海道電力との擦り合わせを開始したいと思っています。

因みに、この提案は奇抜のようですが、実はお隣の韓国が既にやっています。原子力発電所は一度建設してしまえば、建設費の減価償却費を毎年計上して会計上の原価は大きいですが、実際のランニングコストは火力発電などに比べれば遥かに低いからです。ですから実効の電気料金を低く押さえることも可能です。添付の図にありますように、総電力消費量のうち45%を原子力発電が占める韓国では、産業用電力の価格をアメリカより少し低目に設定しています。これで全世界からハイテク産業を誘致しています。もちろん、北海道には、韓国にはない広大な土地がありますから、アメリカ級の巨大サーバーファームを後志地域に誘致することは、原発からの電気を超低価格で提供することで間違いなく実現出来ます。その経済波及効果は、小樽、札幌のみならず北海道全域に計り知れないインパクトがあると容易に予想されます。

メガソーラー発電所建設・操業プロジェクトに着手
世界のウラニウムの想定残量は、今のペースでは後30年ぐらいとされています。もちろん、反原発の世論に対する回答ということもあります。泊原発を継続するにあたって、将来の代替として30年かけて、年間500億円、総額1兆5000億円で、後志地域8000ヘクタールに、500万キロワットのメガソーラー施設を建設します。三重県・愛知県に現在丸紅等が建設中のものの100倍の規模です。もちろん、ロシア政府が短期間に2兆円をウラジオストクに投下できていますから、景気浮揚にソーラー発電国債を発行して短期で1兆5000億円を投下することも日本の国力では十分可能でしょう。冬季の積雪を心配する方がいらっしゃいますが、ソーラーパネルは自身を温めることも出来ますから、積雪は実際のところは問題になりません。私自身は、北海道にメガソーラーファームをいくつも作り、日本の電力の全てをまかなえる時代が来ると思っています。もちろん、前述したように、世界のデータセンターを誘致することも同時に可能です。
小樽・ロシア間、観光・貿易推進
私が地元地域の為に何が出来るでしょう。
私が父から聞いて育った小樽は、札幌より人口の多い北海道の商業の中心で、ロシア貿易を始めとする通商の要であり、日銀が支店を置く通商都市のイメージです。もちろん、祖父が校長を務めた小樽高商の話も、幾度となく聞いていますから、まさに日本有数の通商都市というのが私の子供の頃からのイメージです。最近、小樽で何日か過ごすと東京の知人に伝えると、「観光ですか」と聞かれました。それが、東京や大阪あたりの人達のイメージでしょう。私はこれをひっくり返したいと思います。小樽を有数の通商都市に戻したいと思います。まずは手をつけたいのは、ロシアとの貿易と観光客の往来です。
手始めとして、ウラジオストクと小樽間にフェリーを就航させるプロジェクトを進めたいと思っています。また、航続距離を伸ばすなどの工夫がいりますが、ジェットフォイルをナホトカまで就航させることも可能と考えます。これについては、別添にプロジェクト概要があります。この地域の人達は大変親日的かつ日本文化を尊敬してくれています。日本人の観光にもうってつけです。先週ウラジオストクを訪れた折、港に建つ帝政ロシア時代の洋館に案内されました。内部は広いホールになっています。そこで、1917年7月に、私の祖父苫米地英俊率いる日本チームと、ロシアチームが世界最初の国際柔道大会を行ったということです。1917といえばロシア革命の年ですから、その後のロシアの長い共産化により、ソ連時代には忘れられていた歴史ですが、案内してくれたロシアの歴史家によりますと、祖父は、ロシアの柔道の父として知られているということです。その日本チームというのは、父によりますと、小樽商大の学生達であったということです。ホールの二階には別添にありますように、祖父の写真が飾られていました。翌日お会いしたウラジオストク日本センターのロシア人研究者の方からは、ロシアの歴史の編纂に、祖父の写真など資料を出来るだけ欲しいとお願いされました。日本総領事館がウラジオストクに開かれたのが1916年ですから、翌年の1917年には学生を連れて訪れ、柔道大会まで開催した若き祖父の行動力に驚きますが、小樽と北海道の未来にロシアとの関係が特に重要となるとの先見の目があったからでしょう。その後ソビエト時代には長く中断しましたが、今になって、祖父の、そして、当時の小樽の人達の夢の実現に大きく貢献できると、祖父の写真の前で誓って参りました。フェリー就航については、ロシア税関アカデミーの講義の際にロシア関係者と話しましたが、もちろん大歓迎とのことでした。
政 策

脱原発
全世界のウラニウムの想定埋蔵量は30年程度です。つまり放っておいても30年で原発はなくなるのです。この意味で民主党の論理は詭弁です。この間に原発を具体的にどうするかが争点です。各原発の安全管理基準の策定から検証まで、まずは原子力村の住人から完全に切り離すことが重要です。これと全く逆のことを現政権はしています。例えば、東電国営化というのは、全くの嘘です。実際は原子力損害賠償機構という国と電力会社各社が半分ずつ株を持つ原子力推進の会社に、銀行が1兆円を貸し付けて、そこが東京電力の過半数の株を押さえたというのが事実です。結果、国の持ち株比率は1/4、3/4の支配権を各電力会社が押さえたという全く逆な構図です。

私の提案は、全ての原子力発電所の安全基準を見直した上で、産業用電力を指定産業に対して世界の産業用電力の水準よりも安く供給するというものです。これが出来なければ原発は即停止です。その上で原発からソーラー、天然ガスなどへの移行を進めます。北海道では、泊から産業用電力をほぼ無料で提供するというものです。北海道の大地の広さから、全世界からデータセンターを誘致すれば、ハイテク産業が誘致できるでしょう。実際、私の米国の友人がアメリカ最大のデータセンターを運営していますが、彼は、二つの水力発電書から価格の安い方の産業用電力を買うということで、日本のメガバンクを二つ、イスラエルの住民台帳なども彼の会社でホストしています。Googleも彼の敷地の隣で同様なビジネスモデルを展開しています。彼らは、地震のリスクの低い北海道で、産業用電力がアメリカ並みになれば、リスク分散として彼らの巨大サーバー群を北海道に持ってくることに意欲的です。ちなみに原発依存率45%の韓国は政策的にこのような戦略的な産業用電力価格を決めており、韓国の産業用電力価格は米国より少し安く設定されており、全世界からハイテク企業を誘致しています。

もう一つの提案は、後志地域に8000ヘクタールのメガソーラー施設を1兆5000億円かけて建設するというものです。泊原発の現在の発電量2.5倍の北海道全域の電気を賄える量の500万キロワットの発電容量です。現在、愛知県で進められているプロジェクトの100倍の規模です。

反増税
増税については、するかしないかということと、するならいつするかかという二つの問題があります。まず、いつの方から先に説明すると、デフレ不況下では増税は絶対やっては行けません。経済学の基本です。これは、設備投資が進んでいない不況化では、GDPの伸びが足りず、そこで、増税によって民間から資金を吸い上げるとデフレと不況が悪化し、いわゆるデフレスパイラルに陥るからです。ですから、もしも増税するにしても、現在は最悪のタイミングです。これを理解していない増税論者は経済オンチというしかありません。また、するかしないかですが、増税の論理が間違っているのは、増税論者のいう増税は、プライマリーバランスであり、一般会計の赤字埋め合わせの話です。更に、赤字国債を出し続けた結果、その償還費用を一般会計の支出に入れているからです。赤字国債を出すときは、特別会計に入れ、返す時は、一般会計に入れるという会計操作をして、プライマリバランスを意図的に悪化させ、それを増税で埋めようという論理です。この論理が本質的に間違っているのは、国債を買っているのは日本国民です。つまり政府の借金1000兆円の貸し手は、日本国民です。国民はお金を借りている側ではなく、貸している側です。それを、財政破綻論者は1000兆円の借金の話ばかりします。そしてその借金が返せないので増税するという。これでは、借りたお金を返す相手に、返すお金がないからもっと金よこせと強請っているのとなんら変わりません。やるべきことは、一般会計の縮小。まずはこれです。その上で、自民党時代に200兆円規模に増大し、民主党政権時代にはパーフォンマンスだけで全く手つかずであった特別会計にメスを入れる。これをまずやるべきです。

反TPP
TPPは民主党、自民党とも賛成ということです。彼らは、TPP交渉に参加するだけであり、TPPの米国案を受け入れるというわけではないというような詭弁を使っています。受けいれるつもりのない交渉には参加するべきではありません。TPPは良く知られるように、関税撤廃などから、日本の農漁業などの一次産業には、壊滅的な打撃を与えます。都市住民の方々は、それは、都市住民にとって関係ないという論理で聞いていますが、食の安全性、食の安定的確保といった戦略的なレベルまで含めて考えると、日本の1次産業を潰すということは、日本はもはや独立国家ではなくなることを意味します。

更には、米国での議会公聴会で明らかになりましたが、TTPにおけるアメリカが狙う本丸は、日本の郵貯、金融証券保険業、医療サービス、行政/公共サービスの民営化と欧米資本化です。これは都市型生活者の所得と生活を直撃します。アメリカでは医療サービスや医療保険が民営化され、国民の15%、5000万人が医療保険もなく、病院の治療を受けられないという状況です。これは、医療機関が金融資本の参加となり、民営化となり医療保険が超高額となったためです。TPPを日本に押し付けようとしているのは、こういた国際金融資本が動かしている米国のロビイスト達です。TPP交渉に一度参加すれば、あの手この手で、日本の金融保険証券業のみならず、医療、水道、公共サービスといったものまで民営化、金融資本化となり、一部の金持ちを除き、多くの日本人の生活レベルが一気に下がる未来が待っています。これは、例え話ではなく富の99%を1%未満の国民が占めるアメリカで実際に起きていることです。ウォールストリートでのデモがまさにそれを表しています。ですから、TPPで被害を受けるのは、農漁村や地方の小都市だろうとたかを括っている大都市の居住者もその本丸をよく理解しなければなりません。

地域医療
医療の機会と質は国民に広く均等でなければいけません。日本全国どこに住んでいても同じ質の医療サービスが受けられる、これが日本国憲法に保証された国民の権利の基本です。ただ、実際のところは、日本では都会と地方格差の他に地方の中でも格差があります。コーチングを通して沢山の医師を指導してきましたが、彼らは、現在地域で生じている医療格差問題や医師不足の問題の根っこには、患者の希望を医療側が十分くみ取れない医療の仕組みにあるといいます。彼らがあげたのは、例えば以下です。

①家族は遠方で1人暮らしの患者や家族も高齢で介護に不安がある患者から、何かの時には自宅で対応してくれと言われていても、いざ病気となると自宅での介護は困難の為、遠方の病院に入院加療となり、患者の意向を無視した医療がなされることも多い。施行している医師も、患者のエフィカシ―をあげるような医療ではない事に気づいているので、多くの同様な患者への対応に疲弊している。 ②家族も病気を持ちながら、両親の介護をしていたり、認知症の患者や家族もある中で、患者が食事摂取ができない場合や在宅での介護を希望されている場合に、診療所から患者に電話をして病状の確認をして往診することは往診の誘導にあたり認めらない。患者からの電話が無ければ往診はできないと指導されている。自分から電話をできない患者や病状を訴えらえない方がいるのであり、地域の事情を理解していない保険審査の改善が必要である。 ③個人情報保護法などにより、地域での患者カンファレンスが少なく患者情報を医師も知りにくい。 ④診療所と病院とを電子カルテでつなごうという総務省の医療ネット実験事業においても、つなぐ内容が問題で、患者の検査データや画像や内科処方内容などが主であった。ICU等に勤務している先生の中には、データ・画像が真っ先に必要となる事には十分理解できるが、高齢・過疎地区で診療する医師の場合は、むしろ診療所と病院をつなぐ最も重要な情報は、医師が患者に対して施行している思いや、患者の治療希望の内容や患者家族への患者情報伝達の方だ。このことを伝えても個人情報保護法の 壁?なのか整備は難しいようだ。画像をやり取りできるとしても、地区によっては光通信もないので通信速度にも不安あるし、実際あまり役には立たない。 ⑤医療崩壊のシンポジウムが何回も開催されているが、医療の中での議論(医師数を増やす 医療関係者の給与アップ コンビニ受診抑制など)が中心である。医療と周囲の産業とをつなぐ政策が必要に感じる。コンビニ受診抑制の為に、多くの患者はあの病院では診てもらえないと思い、病院は医師も減ったが、患者数や入患者は更に減り、赤字は膨らんでいる。患者が不安なく通院でき、患者が沢山受診しても、患者も医師もイライラしないで診療できる、患者と医師とを連携できるコーディネータのような存在や仕組みが必要に思う。

このように、①医師がコーチングにあたる技術を習得する、②地域の事情に合わせた保険審査の改善、③地域医療における個人情報保護法の弾力的な運用、④新しい医療技術に見合った地域医療ルールの策定、⑤地域の実情に合わせた患者と医師の連携をサポートするコーディネーターの育成、といったことが具体的な地域医療における改善策になってくると考えています。

長い自民党時代に、医療に地域格差が生まれ、民主党時代にはこれが更に大きく広がりました。ここでTPPに参加してしまえば、医療サービス、医療保険等の民営化と外資化が進み、格差がさらに広がり、日本の地域医療は壊滅的になるでしょう。やるべきことは、全く逆です。日本国民の全医療サービスを無料にすべきです。そのためであれば、国債を発行することにはなんの問題もありません。自分たちの医療の向上のために、国に金を低利で貸すということです。医療サービス国債の発行を提案します。同様に、教育も私立学校の継続は保証した上で、大学まで教育は無料にすべきだと考えています。

介護、福祉
新党大地はもちろん反対していますが、これから増税時代が来ることが予想されます。その時代は、介護や福祉はますますないがしろにされていくことでしょう。介護、福祉は国の仕事です。民営化やTPP参加による外資化は、金持ち以外は介護も福祉も保証されないという最悪の状況を日本にもたらします。これはTPP論理の背景にある、いわゆる新自由主義を押し進めたアメリカで実際に起きていることです。具体的には、介護、高齢者福祉、障害者福祉、生活保護を含む福祉全般を、決して金持ち有利の金融資本主義の論理に入れないということです。介護、福祉は国がどんな過疎地域であってもしっかり責任を持ってやるこれは徹底しなければなりません。その意味ではTPPはこれを根本から崩す時限爆弾であると理解すべきです。

経済雇用
現在の日本はデフレ不況に入っています。これは、単純に、震災で経済に対して大きなマイナスインパクトがあったにも関わらず復興資金を長期間投下せず、マネーストック不足状態を長く続けた経済オンチの民主党政権の問題です。経済の基本は新たにものを作るとき、壊れた道路や橋を復旧されることも含まれますが、これはGDPを増大させます。それに対して同額のお金を刷ってマネーストックを拡大しなければデフレになってしまいます。今頃になって国債の発行を民主党と自民党は言っていますが、私は震災直後の著書でも書きましたが、震災のようなインフラの破壊があった場合は、10兆円規模の建設国債を速やかに発行してマネーストックを増大すべきでした。そして公共事業を大規模にやる、そうすればデフレにもインフレにもならずに経済雇用を一気に改善することができたはずです。現在はマネーストックが不足し、経済雇用が更に悪化するというデフレスパイラルに突入しつつあります。早急に改善しないと日本経済は大変なことになります。そのためには、東北地方での大規模開発もそうですが、私は、先に提案したように、後志地域に巨大サーバーファームを誘致するためのインフラの大規模投資や、メガソーラーファームを1兆5000億円規模で後志地域につくる。そのために建設国債を2兆円規模で発行することが、北海道のためにも日本全体のためにも必要であると考えています。そういうと必ずインフレ論者がインフレになると言いますが、一般会計の赤字埋め合わせの国債発行にはそのリスクがあっても、インフラ整備や新規発電設備への投資などGDPを伸ばす資金需要に向けての国債発行は、インフレを起こしません。これは経済のイロハです。民主党政権が経済のオンチであったことは、大変大きな問題で、早急の方向転換が必要です。

外交
これからの外交のあるべき姿を端的に表現するならは、「ロシアと友好関係を一気に進める、中国、韓国との友好は忘れない、もちろん日米同盟はしっかりと維持する」ということになると思います。最近、ウラジオストクにあるロシア極東連邦大学の教授就任が決まりました。プーチン氏直属の超優良国立大学です。また、ロシア税関アカデミーでも教えてきました。彼らの次世代のリーダーをつくるお手伝いです。私の現在までの仕事は、コーチングといって、個人の生産性を上げるお手伝いです。人生のゴール設定のお手伝いをし、そのゴールを達成することが出来る生産性の上がるマインドの使い方の先生でもあります。その活動の中で、各国の政治や経済のリーダー達のコーチを長年してきました。日本人でそのような経験があるのは、私一人です。ですから、私は、単に外交をするというだけではなく、世界のリーダー達が、戦争や差別のない世界、飢餓のない世界を作り上げて行くお手伝いをするコーチという役割をこれまで以上に果たして行きたいと思っています。また、これまで、あくまで民間という立場ではありましたが、沢山の国のリーダーの方々と友好関係を築いて来ました。一人で、外務省官僚全員分以上の仕事をしたのではと思うような機会も経験しています。この人脈とノウハウは今後も積極的に活かして行きます。

ロシアでいえば、ロシア連邦政府は、9月のAPECに向けて、ウラジオストク地域に2兆円規模の大規模投資をしたばかりです。この経済波及効果はとてつもない規模となり、それが始まるのはこれからです。このチャンスに北海道をその経済波及効果の地域の中に組み入れるべきです。経済オンチの民主党はこれに手つかずでしたし、アメリカ一辺倒の自民党は全く逆をするリスクさえあります。世界最大の国土と、ソ連時代から続く、高い国民の教育レベルを維持するロシアはこれから、かつての中国以上に経済を急速に成長させることが容易に予想されます。北海道はロシアと経済協力をすることで、一気に経済規模を拡大することができるはずです。

同様に領土問題にしても、戦争を誘発するような前近代的な論理を語る人たちには退場してもらう必要があります。国益は強く主張する、しかし徹底して平和的手段のみを使う。これが日本の外交のあるべき姿なのは言うまでもありません。さらには、国際会議の北海道での開催、10年後APECを札幌、小樽に誘致します。また、北緯43度圏サミットを提案したいと思います。

苫米地英人苫米地英人

1959年、東京生まれ。認知科学者(機能脳科学、計算言語学、認知心理学、分析哲学)。計算幾科学者(計算機科学、離散数理、人工知能)。カーネギーメロン大学博士(Ph.D.)、同Cylab兼任フェロー、株式会社ドクター苫米地ワークス代表、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO、角川春樹事務所顧問、中国南開大学客座教授、全日本気功師会副会長、米国公益法人The Better World Foundation日本代表、米国教育機関TPIインターナショナル日本代表、天台宗ハワイ別院国際部長、財団法人日本催眠術協会代表理事。

マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社。2年間の勤務を経て、フルブライト留学生としてイエール大学大学院に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学の分野で世界最高峰と呼ばれるカーネギーメロン大学大学院哲学科計算言語学研究科に転入。全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。
帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員などを歴任。

現在は米国認知科学の研究成果を盛り込んだ能力開発プログラム「PX2」「TPIE」を日本向けにアレンジ。日本における総責任者として普及に努めている。
著書多数。

一般財団法人苫米地国際食糧支援機構代表理事、一般社団法人政治基盤機構代表理事、極東連邦総合大学(ロシア)来年度教授就任予定。