24日、自民党の安部総裁が野田首相に対してインターネット放送の「ニコニコ動画」上における公開党首討論を提案する旨を記者団に語ったことが話題になりました。これに対し野田首相は、「より多くの人に見てもらった方がいい」として、テレビ番組における討論を希望しているとされています。
このことからも分かる通り、現在メディアは多様化しています。テレビ、インターネット、ラジオ、新聞など、情報を得るための手段はあふれており、どのメディアから主体的に情報を得るかは、受け手次第。その選択の際に重要になってくるのは、マスメディア自体の質でしょう。最近では、iPS細胞の臨床試験を成功させたと発言した人物に新聞社と通信社が騙され誤報を出しました。尼崎市の連続変死事件では、容疑者とされた女の顔写真を間違える報道が相次ぎました。
そこで、「以前と比べて、最近の日本のマスメディア報道のレベルはどうなったと思いますか?」という調査を実施しました。結果は以下の通りです。
・上がっている:4.4%
・変わらない:23.7%
・下がっている:60.0%
・分からない:12.0%
(リサーチパネル調べ、2万5694人が対象)
最も回答を集めたのは、「下がっている」という選択肢でした。年代別では、10代のみで半数を下回り、20代・30代では50%以上、40代・50代では60%以上、そして60代では70.2%となり、年齢が上がるにつれてマスメディア報道のレベルが低下していると考える人が多くなる傾向が読み取れました。
そして、23.6%が回答した「変わらない」という選択肢でも、回答した人たちが寄せたコメントは「前からよくない」といった、“悪い意味で”変わらないと考えている声ばかりで、マスメディア報道のレベルが「良くない」と考えている人自体は、7割から8割に及びそうです。
「下がっている」と回答した人たちのコメントを見てみましょう。
「報道の自由、知る権利など聞こえは良いが、内容はお粗末で、ゴシップを面白おかしくやっている様にしか思えない」
「不十分な取材、感情論的な報道は、一層ひどくなったと感じています」
「昔よりも煽動的になってますね。作る側が楽しけりゃいいみたいな」
「かなりレベルが下がっていると思います。ウラを採らないままの報道記事がよくありますが、マスコミとしての基本がなっていない気がします」
対して、少数派となった「上がっている」という選択肢のコメント欄では、
「情報が早くなってる」
「品質は間違いなく良くなってるんだが、いつの時代も庶民から悪者にされるのが警察とマスコミ、学校教育」
「確実にあがってるとは思いますが、やりすぎな所も見受けられるので、良い面と悪い面があると思います」
などの声が書き込まれています。
今後、総選挙が公示を迎えるとともにさらにその役割の重要性が増大するであろうマスメディア。世間の人々は、政治のみでなく、その政治を伝えるマスメディアにも厳しく目を光らせているということがうかがえる調査結果となりました。
【関連リンク】
・以前と比べて、最近の日本のマスメディア報道のレベルはどうなったと思いますか? – リサーチパネル
http://research-panel.jp/rpdr/view.php?eid=228481
・テレビ番組「つまらなくなった」が71.2% 「昔は良かった」の声
http://shunkan-news.com/archives/1557
・『週刊朝日』の橋下市長報道 騒動を知らなかった人は14.3%
http://shunkan-news.com/archives/1782
・好きな鍋調査 全体では寄せ鍋1位、10代~30代はキムチ鍋1位
http://shunkan-news.com/archives/2597