小沢・嘉田連合 脱原発で100人超え
【政治・経済】
野合の維新を上回る
新党の党首となる嘉田知事はまだ全国的な知名度はないが、市民運動家の間では広く知られている。06年に「もったいない」のキャッチフレーズで新幹線新駅とダム建設に反対し初当選した。原発問題では、橋下徹大阪市長のように大仰な構想をブチ上げたわけではない。地道に「卒原発」を訴え続け、大飯原発3、4号機の再稼働問題について、政府に慎重な判断を求めてきた。そんなぶれない姿勢が歌手の加藤登紀子や音楽家の坂本龍一の共感を呼んでいる。
生活やみどりとの連携は、橋下と石原慎太郎前都知事の維新みたいな選挙目的の“野合”とは違う。至極当然の流れだ。
「維新と大きく異なるのは、脱原発の政策が一致していること。そして、場当たり的に離合集散しているわけではないということです。新党構想は3カ月ほど前から、生活の小沢一郎代表や脱原発の亀井静香幹事長が水面下で調整を続けてきました。それが結実したのです。小沢や亀井らベテランが裏方に回って汗をかいている点も、維新とは対照的です」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)
<第2会派に躍り出る可能性>
問題は嘉田新党が選挙までに機能するか。「なんらかの連携、協力は模索したいが、即合流までは考えていない」(みどりの谷岡郁子共同代表)という慎重意見もある。比例代表名簿の統一などが検討されているが、難航しないのか。
「最大の問題は選挙区の調整でしょう。でも、小沢一郎は社民党、新党大地、みんなの党と個別にはほぼ調整を終えている。あとはみどりや脱原発との調整があるくらい。テクニカル的にはそれほど難しい話ではありません」(選挙事情通)
野田は論外だし、安倍や維新のウルトラ右翼もコアな支持層に訴えているだけ。暮らしに密着した問題を争点に掲げる「脱原発グループ」の威力はバツグンだ。政治評論家の伊藤達美氏は「女性を中心に票を伸ばすでしょう。社民、共産も加えれば50~60議席に届く」と見る。前出の鈴木哲夫氏は「みんなの党が新党に合流すれば、維新はもちろん、民主を抜き、自民に次ぐ第2会派に躍り出る可能性を秘めている」と指摘した。100議席を超えるポテンシャルを秘めているのだ。
小沢のオリーブの木構想がいよいよ現実になりつつある。