民主党の総選挙マニフェストの最終案が固まった。環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加については、党内の慎重派との調整で政府の最終判断までの留保条件をつけた。2009年総選挙のマニフェストから多くの数値目標を削ったのが特徴だ。野田佳彦首相が27日に発表する。
民主党マニフェストでは、TPPの書きぶりをめぐり調整が難航していた。当初は日中韓自由貿易協定(FTA)などと「同時並行的に進める」と表記。しかし、鹿野道彦元農林水産相ら慎重派が反発したため、細野豪志政調会長を中心に文言の調整を続け、最終的に「同時並行的に進め、政府が判断する」という表現で決着した。政府が方針を決める前段階であることを明確にすることで、慎重派の理解を得た。鹿野氏は、朝日新聞の取材に「TPPに反対の意見を表明した人も公認取り消しをしないことを、輿石東幹事長と細野政調会長から口頭で確認した」と明かした。
また、マニフェストにはエネルギー政策について、野田政権が決めた革新的エネルギー・環境戦略を踏まえて「2030年代に原発稼働ゼロ」と明記する。衆院議員の定数を75削減することも盛り込んだ。
一方、看板政策の「最低保障年金の創設」では前回「月額7万円」と明記した支給額が削られ、「時給1千円を目指す」としていた最低賃金は「早急に引き上げ」という表現に改めた。月額2万6千円の子ども手当は記述自体が消えた。