九州場所後の横綱審議委員会が26日、鶴田卓彦委員長ら9人が出席して東京・両国国技館で行われた。鶴田委員長は、9勝に終わった横綱日馬富士(28)=伊勢ケ浜=について、来場所も10勝に届かなかった場合、「綱を締める資格がない」と“引退勧告”を出すことを示唆した。日馬富士は2場所連続全勝優勝の昇進からわずか2場所目で、引退の危機に直面した。
「極めて成績が悪い。2桁の勝ち星を挙げられないなんて、横綱としての資格はない。ひどすぎた。何で横綱になったんだという見方をする人だっている。(昇進させるのが)ちょっと早すぎたかなという気持ちもあった」
終盤に5連敗し、9勝6敗に終わった日馬富士に厳しい意見を投げつけた。
さらに、来年初場所も10勝に届かなかった場合を聞かれると「10勝挙げなきゃ綱を締める資格はない。そのくらいの自覚をもってもらいたい」と、引退勧告も辞さない考えだ。
横審の内規では激励・注意・引退勧告を決議することができるが、鶴田委員長の発言はあくまでも個人的見解。「次は頑張ると期待している」と話したが、成績だけではなく「張り手も情けないし見苦しい。やめてもらいたい。相撲はけんかじゃないんだから」と“物言い”が。白鵬の優勝は評価したが「相手があの体たらくじゃ」と、最終的には日馬富士の話題にすり替わってしまう。
沢村田之助委員も鶴田委員長と同意見。「(2桁に届かなかったら)引退。横綱が1桁じゃダメ」とばっさり。日馬富士は横綱在位わずか1場所で、早すぎる正念場を迎えてしまった。 (岸本隆)
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